ハイジ
先日『小公女』で書いた福音館書店の古典童話シリーズ。
読んで感動したと言えば『ハイジ』もその一冊である。
ヨハンナ・シュピリ:作 (矢川澄子:訳 福音館書店)
文庫も出ている。
ハイジに出合ったのは、テレビアニメが先で、
ちょうど小学校に上がる歳だった。
その次の年、ダイジェスト版の『アルプスの少女』という本を購入。
アニメとはかなり違った印象だった。
完訳の古典童話シリーズでは、アニメとは違うハイジに出合った印象。
かなり宗教色が強い。
今の日本では、あまりなじみのない強い信仰を表してあり、
それを受け入れられるか否かは別として、
そういう世界があるということを知る上でも、
とても上質で豊かな読書体験ができる作品だ。
アニメ版ハイジが何度も再放送され、
40年近くたった今でもハイジやペーターやクララの声が、
アニメ版の声で脳内に甦るけれど、
この本を読んだときは、そうではなかった。
物語に描かれた彼女たちは、アニメ版とはまた別の
キャラクターを持って、生き生きとそこに描かれている。
一度この完訳版を読まれることを、ぜひお勧めしたい。
ハードカバーのこの表紙の美しさも、五つ星をつけたい。