とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

盲腸切った後

もう、20云年前、ちょうど就職試験を受ける前だったか。
大学4年生の6月、なんだかしくしく腹が痛いよぉ
ってことで、盲腸を切って来いと、大学の先生に言われ、
実家に帰ってすぐに入院。
急ぐ必要もないけれど、と言いながら、
じいちゃん先生が切ってくれた盲腸。
5日くらい、入院したっけかなぁ。

暇で暇で、とにかく暇で、親に本を持ってきてと頼み、
読んだ本を今更思い出してみる。
まず、父に頼んだら買ってきてくれた
『アド・バード』椎名誠集英社
アド・バード
日本SF大賞を受賞した作品。
SFを好きでたまらないというわけではなかったけれど、
椎名さんのおかげで、SFもかじった。
これは面白かったよ、これは。

でも、母が持っていた世界文学全集の中から、持ってきてもらった
『武器よさらば』ヘミングウェイ
ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トゥエイン
『赤と黒』スタンダール
どれも読んだはずなのに、
ハックルベリー・フィンの冒険』以外はよく覚えていない。
『武器よさらば』の中には、『キリマンジャロの雪』もあって、
読んだのだと思うけれども、
あんまり好きな話ではなかった。
『赤と黒』なぞ、てんで覚えていない。

本当に海外の読み物が苦手だった。
ライ麦畑でつかまえて』だって、なんだかわからんかった。
なぜあの時、日本文学作品を持ってきてもらわなかったのか、
それも不思議だ。
盲腸切った後、かなり時間があったにもかかわらず、
かなりの時間を無駄にするという読書だったなぁと、
そのことは思い出すのだけれども、
何をどう読んで、どんな感想を持ったかが、
全く記憶にないのは、やはり、ただ字面を追うだけの、
身にもならない読書をしていたということなのだろう。
その時間がもったいなかったかどうかは、
今更だから、考えるのはやめよう。