とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

なっ、なみだをふくものが…

ばたばたと、昼食の支度をして、
待ち合わせの時間に間に合わない〜!と
慌てて出たので、ハンカチを忘れた。


工藤さんの講演会に行って、楽しい詩の朗読と、
詩の味わい方についてのおはなしを伺っているとき、
たんぽぽはるかちゃんの詩への、
数人の受け止め方の違いを話されていたとき、
涙が浮かんできて、あっ!という間に、
右目からぼろり。


あいたくて あいたくて
あいたくて あいたくて
きょうもわたげをとばします


その方は、大切な誰かを亡されたのかもしれない、
と工藤さんはおっしゃった。


この詩は前から知っていたが、
この詩を読むと、私の頭の中に浮かぶ本が二つある。
二十歳の原点』と『星の王子さま』の二つだ。
誰か…SOMEONEを求める高野悦子さんや、
星々をめぐり、その誰かを探しさまよう王子さま。


あいたくてあいたくて…でも、あえなくて…
そう、その誰かにあったのに、もしかしたら、
きづかなくて、ここまできちゃって…。
それでも、やっぱり求めてしまう。
でも、そのあいたい人は、どこにいるんだろう?って。
そんな詩だと受け止めていた。
そう、19、20、21歳の自分が求めていた
誰ともわからないSOMEONE。


涙が出ていたのは、その頃の情けない自分を思い出したことと、
今、SOMEONEが誰なのか、
追い求めていない自分に気付いたこと。
そのSOMEONEは、気が付いたら傍にいる旦那であり、
子どもたちであり、
また、いつも一緒に居るわけではないけれども、
その人のことをふと考えたりする友達であり…
そんなふうに、考えるってことは、
歳をとっているということなんだろうなぁと、
ちょっとさびしくもあり。
なんかわからんけど、涙が流れた。
ハンカチも持っていなかったのに…。
掌で、顔をちょちょっと拭い、
でも止まらないから、そのうち乾くか…と涙流しながら
工藤さんの話を聴いた。
ああ…ときには涙を流すのもいいもんだ。


それにしても、年を取ると涙もろくなるって本当だなぁ。
前日も『本へのとびら』を読みながら、
なぜか涙が出そうだったけど…
心の琴線にふれるということなんだろうか?
でも、その涙の理由は良くはわからない。
とりあえず、ハンカチorミニタオルは忘れずに…。