とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

涙腺がゆるい

12.9.23,25

ガンディーの言葉 (岩波ジュニア新書)(岩波ジュニア新書)
二日で読み上げた。
と言っても、実質は今日、一冊読み上げた感じ。
23日は、お孫さんの書いた序文を読んで終わった。

今日、上の子の定期検診にいって、
採血する待ち時間と、血液検査が終わって、
主治医に呼ばれるまでの待ち時間で、半分ほど。

親子の事や、家族の事、真理の事、宗教の事
などなどに分けて、ガンディーの言葉を抜粋してある。
新聞の記事だったり、著書からだったり。
だいたい、年代順になっている感じで、
ジュニア新書なので、十代の子にわかりやすく解説も
なされているので、とても読みやすかったし、
親の姿だったり、子どもの頃の失敗だったり、
マハートマ(偉大なる魂)といわれるガンディーも、
そのあたりに居る子どもと一緒だったのだなという感想から、
どこから、その思想に行きつくのかというは、
自分の失敗や、人の行いをよく見ていたとか、
親の姿を尊敬していたのだなとか…

上の子を学校に送り届けてから、図書館へ。
子どもの本のコーナーで、椅子に座って読んでいた。

不服従運動を行っていた頃からの言葉は、
どうも、胸が苦しくなる。
非暴力、不服従を貫いて、何度も投獄されるとか、
相手を憎むのではなく、理解するために他宗教を学ぶとか、
インドの独立の為に奔走するとか。
そして、インドをヒンドゥー教とイスラム教の融合した独立国へとの思いは
叶わなかったが、独立後も、二教においては、暴動が起こる中、
断食をして防ごうとするも、ヒンドゥー教の狂信的な信者によって暗殺、
という最期を迎えるまで、
そこまでの信念をもった彼の戦いは、
己の外には敵はおらず、常に、ガンディーは己の精神・魂との戦いだなと
深く感じることができ、子どもたちがキャイキャイ言っている中、
洟をすすりながら読んだのだった。

打ち勝たねばならぬのは、自分の弱さであると、
非暴力・不服従の思想は教えてくれる。
また、彼は、全世界の皆の幸福を願っていたのだというのが、
よく解るのだった。
人のいらぬ欲だったり、過度の文明だったりが、
人間の心を弱らせているのだなぁと、思いながら読んだ。

この本に手を伸ばしたのは、近隣国とのごたごたに、
なんだか空しい感じがして、
どういう結果が出るのか、どういう結果ならば、両方納得できるのか、
と考えた時に、自分には考えられなかったからだ。
しかし、真理は一つである。
自分の国日本として考えるべき問題では、もはやなくなってきているように思う。
ガンディーならば、この状態をどう見るだろうか。

ガンディーの素晴らしさは、
一人でガンガン進んでいくというよりは、根気強く人を説いて、
運動の支持者を増やして行ったこと。
自分の国の独立だから、皆で打ち勝とう!としたこと。
それも、非暴力・不服従を貫きながら。

彼の愛国心は素敵だと思う。
他を貶すのではなく、自分の国を誇れる国に、育てていったことが、
最後には、独立まで導いた。
偉大な指導者である。
彼の望んだ世界の平和は、今もなお皆が願っているものの、
遠い所にあるようにしか思えない。
ガンディーが生きていたら、なんと言葉を発するだろう。
それとも、黙したままだろうか。

この本を読んで、『ガーンディー自叙伝』1,2(平凡社
ガーンディー自叙伝〈1〉―真理へと近づくさまざまな実験 (東洋文庫) ガーンディー自叙伝〈2〉―真理へと近づくさまざまな実験 (東洋文庫)
この二冊と、こちらも
真の独立への道―ヒンド・スワラージ (岩波文庫)
読んでみたいと思う。