とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

とうとう発売日に

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

今日、発売らしいですな。
そして、hatenaブログには、もうすでに、
29の記事が上がっているようだ。
もちろん、私のように、読んでいないどころか、
手に入れていない人も、いるかもしれないが。

朝、テレビで、代官山の蔦屋書店での、
待ち状態の行列や、イベントや、
アマゾンで2万冊の予約が・・・とかいう
ニュースを見て、『1Q84』の時同様、
委縮してしまう読書欲を感じた。

ハルキスト…というのか。
買って、取材を受けながら、その場で読み始める
大人たちを見て、なんか変なの…と思ってしまった。
いや、人の読書スタイルに文句なんて、
いけないことだな。ごめんなさい。

しかし、発売初日50万部準備。
凄いことだ。
そして、書店に山と積まれる
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
を見て、そこに、消費という言葉を感じた。
そうだ。
憧れのおかたもおっしゃっていたではないか、
本は、読んでこそなんぼ。
本は消耗品である、と。

初日に、沢山のレビューがあがる。
その目的は?

お祭り騒ぎみたいなことになっていて、
ああ、『ノルウェイの森』の時みたいだな。
1Q84』も、未だ読む気になれず、
私は、村上春樹氏のインタビュー集と
短篇集を行ったり来たりを、相変わらず続けている。
そうか、ひところの私の中での、
村上春樹ブームは、この3年ぶりの新刊ってことを
知らされて、心を踊らされていたのだな。
なんてことを考え、
かーっ!天邪鬼失格とほほ…と思う。

世間のハルキストと呼ばれる人たちが、
新刊をむさぼり読んでいる今日という日に、
私はゆったりとインタビュー集の日本の頁を
読んでいるのであった。
まだ、先でいいや…と思う。
今じゃなきゃいけないのであれば、
本の形にしなくてもいいテキストではないか、
とさえ思う。


追記
アマゾンで、レビューを見ると、
星ひとつの人がいて、まぁ、アカラサマでありますな…
と思ってしまう。
人それぞれ、面白いと思ったり、つまらんと思ったり、
また、わかる〜と思ったり、わからんだったり、
そういうものだろうと思う。
なんだか、批判的なことを書くのは構わないが、
今日発売された本を、さらっと一度読んで、
これはいい本だ、これは悪い本だって判断つけるって、
批評家か、何か?と思ってしまう。
自分には面白かった、自分は面白くなかった
くらいにしておけばいいんじゃないかと思う。

もし、大したことない、運だけの作家ってことを思うのなら、
じゃあ、どうしてその本を買ったのだろう?
結局は、期待して買ったんだろう。
期待して読んだんだろう。
もし、期待外れだったとしたら、
今回の作品は、自分には合わなかったなぁ
でいいんじゃないか?

こういう強い批判みたいなのを読むと、
村上春樹氏って、やっぱりメジャーなんだなぁって、
改めて思ってしまう。
スポーツの世界でいるでしょ、憎らしいくらい強いって人。
例えば、相撲の北の海とかウルフとか。
(昔過ぎる?)
そういう人たちには、アンチがつくっていうのがサダメだな。

ま、やっぱり自分で読んで…ですな。
村上春樹で図書館検索すると、批評とか、
村上春樹の研究本とかいっぱい出てくるけど、
そういうのを読まずに、しっかりと、
彼の作品だけを、自分で感じ取るのがベストではなかろうか。
誰が何と言っても、好きなものは好きだし、
嫌いなものを好きになるのは難しいしね。
ま、再読するうちに嫌いが好きになることは、
多々あるけれどもね。
その好きは本物だと、私は思う。