とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

涙腺がゆるむ

ここ数年、読みたいと思っていた
「白いオウム」という話。
椋鳩十氏の動物を書いた短編集で、
小学校の時に文庫版で購入したと思う。
その本の表題にもなっていた「白いオウム」の話を、
数年前に自分の子ども時代に持っていた本を
思い起こした時に、思い出したのだ。
今の、青い鳥文庫のような本だったけれど、
当時、青い鳥文庫などないし、
ネットで調べてみるとポプラ社だったようである。

今日、市民図書館で
椋鳩十の本 第九巻 動物変異記』(理論社)の中に
収められているのを発見し、
館内で読み耽った。

オウムのシロちゃんとネコのシロちゃんの話だが、
淡々と綴られる話の中に、
家族の温かさだったり、動物同士の心の通い合いだったりが
存分に読み取れて、とてもじんわりと心にしみてくる
おはなしだった。
子どもの頃、おそらく、
5年生くらいだったのではないかと思うのだが、
この話が好きで、何度も読んだ記憶がある。
「お茶が入りましたよ」というシロちゃんの言葉も、
亡くなったお母さんの言葉であり、
その言葉で、「私」が機嫌を良くするというのも、
今読むと、なぜか涙腺が緩む。
図書館で、洟をすすりながら読んだ。

この『白いオウム』の本の中に、他にどういう話が
収められていたかが、あまり記憶にないのだ。
表紙が、水色っぽい縁取りで、白いオウムの絵が、
ドンと描かれていて、縦書きで、白いオウム
だったように記憶している。
1977年に文庫化されているようで、
もしかしたら、遠方の図書館だと、所蔵があるかもしれない。

子どもの頃読んだ本、持っていた本の記憶は、
とてもあやふやだ。
もう、30年以上前のことであるので、
当時のまま本が残っているわけでもなく。
結婚した時に、処分してもらったのは悔やまれる。