とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

読んでみて浮かび上がるのは

昨日の夜から、今朝にかけて読んだ。

霧のむこうのふしぎな町 (文学の扉)

これは、アニメ「千と千尋の神隠し」に
大きく影響している物語と、知人に聞いて、
この本の存在は知っていたものの、
いつまでも読まずにいたのであった。

千と千尋の神隠し」あまりに有名すぎるアニメで、
自分も何度か見ているので、
原作ではないこの物語の、どこが、
千と千尋の神隠し」に影響を与えているのか、
そんなことを気にしながら読むのも、
なんだか失礼な話だと思って。

しかし…やっぱり読んでみないことには、
物語のことは、語れないので。

行って帰ってくる…子どもの本の王道である。
確かに、「千と千尋の神隠し」を思わせるシーンは
あるのだけれども、それだけじゃないなと思う。
何よりびっくりなのは、作者柏葉幸子さんの
デビュー作だということ。
あとがきによると、作者はメアリー=ポピンズや
ナルニア国物語などのファンタジーを
子ども時代に存分に楽しんだようだ。

私が読んだ本は、佐藤さとるさんの解説も読めて、
お得であった。

読んでみて、浮かび上がるのは、
千と千尋の神隠し』のあの世界観とはかなり違うように思う。
主人公リナは、千尋とはかなり性格が違うし、
似たようなシーンだと思うことはあっても、
全く別のファンタジーであった。
リナが、気合を入れる時にポニーテールを
二つに分けてきゅっと引き上げる仕草がいい。
その世界が、町とは言っても、
かなり狭く感じたことが残念ではあったけど、
また次の年、リナはあの通りで、
別の住人を手伝う夏を過ごすだろうなぁ、
また、新しい出会いがあるんだろうなぁ、
と、ワクワクして読み終えた。

そういえば、ネットサーフィンして知ったのだが、
大好きなアニメ『耳をすませば』の、
大好きな天沢聖司くんが、図書館でしずくを待っている間、
この本を読んでいるのだと。
それは気付かなかったなぁ。