とみいよむよむにっき

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トマーシュの四回転復活に思う

フィギュアスケート男子シングルというよりは、
初めは高橋大輔という選手をみた2005GPFが、
私の男子シングル元年であった。
ランビさん、ジェフリーと並ぶ高橋君を見て、
本田君がオリンピックでメダルを逃して4年弱。
日本にこんな選手がいたんだという驚きと、
それ以上に驚いた、ランビさんの衣装。
ジェフリーの、王子様っぽさ。
TDLのパレードに出てきそうではないか…という印象。
男子シングルって、面白い、そう思ったのは、
あのシーズンだったなぁ。2005−06シーズン。

トマーシュを応援し始めたのは、2007年から。
東京での世界選手権、FS第3グループの最終滑走、
あの演技に引き込まれた。
あの大会は、ランビさんのポエタも凄かったけど、
トマーシュのフリーはかっこよかったのと、
ふしぎな振り付けがあったのと、
滑った後の笑顔がまぁ人の好さがにじみ出ていたというか…。

でも、良くは知らなかったし、
トマーシュのことに凄く興味が出たのは、
2007年NHK杯からである。
高橋君と凄い接戦であった。
凄い凄い!!と思っていたら、
年明けのヨーロッパ選手権で優勝した。
それで私のトマーシュ熱はかなり上がっていたのであるが、
イエテボリであの結果である。
翌年も、ワールドで4位と惜しい成績。
五輪でメダルか!と思っていたのに、
スケートアメリカへ行ってからの体調の悪さを
引きずって、五輪で哀しい結果に。
おまけに、ワールドには出場せず、
翌シーズンには、拠点をカナダに移し、
四回転を封印してしまうという悲しい結果に。

ロステレコム杯で優勝した時には、嬉しかったけれど、
ここ数年のトマーシュの演技からは、
2007〜09年あたりで見た力強さがなくなって、
大変悲しかった。
この春のワールドでも…。
いつまでこんな演技を見なきゃならんのだろう?
このまま、五輪は諦めるんじゃなかろうか?と、
とても残念に思って見たものだ。
まさか、復活したトマシュを見ることが出来るとは!

今季、試合での四回転はパーフェクトのようである。
それも、ニース杯では、SPとFS合わせて
四回転を三本決めて、GOEは2.0〜2.5という、
驚異的な加点である。
スタミナの点では、まだ、不安な感じではあるが、
以前みたいに、途中から演技がグダグダてのはない。
かといって、安心しきって見られるわけではないが。

滑らかな気持ちのよい滑り。美しいジャンプ。
こじゃれたステップシーケンス。

今季、トマーシュに笑顔と共に、戦う姿勢というか…
本気の競技者の顔が戻ってきた感じがしてとても嬉しい。

何年かかっても自分の演技を取り戻してきたところに
アスリートの凄さを感じるとともに、
トマーシュも好きな高橋大輔というスケーターのジャンプも、
きっと新しい進化したものを見せてくれるだろうと
期待してしまうのである。

昨日、久しぶりに、2009年のフランスで2位だった
トマーシュのFSゴッドファーザーを見た。
疲れてるなぁの印象だけど、
GPS第1戦で、あの出来だったら、
もっと仕上げられたはずなのに、あのプログラムは
それ以降、とっても悲しいプログラムになってしまった。
今季、タンゴメドレーの焼き直しを選んだトマーシュ。
1ファンとしては、ゴッドファーザーの方を
選んでほしかったなと思う。
あのプログラムは、彼のトラウマ的プログラムだろうから、
選ばない理由は分かるのだけれども、
乗り越えたって意味と、ちゃんと完成した形を見たかったから。
タンゴメドレーも、2008-09シーズンと比べると、
ずい分と薄味な気がする。
27歳という年齢的なこともあるのだろうけれど。
だからこそ、ゴッドファーザーを見たかったとも思う。
四回転二回ばっちりきめたゴッドファーザー
見たかったなぁ。