とみいよむよむにっき

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天から

ペーテルとペトラ (大型絵本)

長くつ下のピッピ』などでよく知られる
スウェーデンの作家
アストリッド・リンドグレーンの絵本。

この『ペーテルとペトラ』のなかで、
小人のペーテルとペトラが、夜の公園の
スケート場で舞っている描写がとても素敵である。
静かな公園の中で、音楽が聞こえてくるような…
そんな美しい描写。
ペーテルとペトラは引っ越してしまうが、
この二人のスケートをいつまでも忘れない
男の子グンナルが、思い出しては幸せな気持ちになるという、
フィギュアスケートファンには、
たまらないおはなしなのである。

今日の東京新聞川口悠子さんのインタビュー記事が
載っていて、WEB版で読んだのだが、
練習は再開されているようだ。氷上練習も。
インタビューの一部。

≪ −プログラムへの思い入れは強い。
 去年からスケートに対する気持ちが変わってきた。私は話すのがへただけれど、氷の上なら言葉の表現より、もっと体で表現できると分かった。踊るだけでなく、ジャンプも技も表現の一つ。新しい振付師さんと話して、それは楽しさなんだと気付いた。≫

言葉でなく体での表現というのは納得。
「言葉は大切」と思っている口だが、
言葉で言い表せられない想いというものは、
少なからずあると思うし、
言葉の壁を越えて伝わるものって、あると思う。
特に、美しさとか、感動なんていうのは、
言葉で言い表そうとすると、なんか陳腐で
嫌だなぁと感じる。
ただ、どんな表現でもそうだけれども、
発信する側と受け取る側で、ズレは生じることもある。
どれだけの人に、伝わっているかというのは、
きっと発信する側が感じることなのだろう。


≪ −日本でもペアが盛んになってほしい思いは。

 日本の男の子は、シングルができないからペアをやる、という考えがあったと思う。今の選手の気持ちは分からないけど、自分はそう思ってほしくなかった。盛んになってほしいというよりは、ペアをやりたい人にやってもらいたい。

ここは、どうなんだろうか…これって、
木原君のペア転向の事とかを含んでいるのかなぁ。


 −ペアの良さとは。

 2人の方が表現が広がって、ストーリーが出せる。レベルの高いペアは2人が1人のように一心同体で動ける。2人がやることでエネルギーが10倍にもなるんです。

この答えは、とても分かりやすい。
私の場合、ずっと男子シングルを見て来て、
ペアとかアイスダンスとかは、たまーに
トップレベルの人たちの演技を見ることがあるくらいだった。
今季、高橋・木原組に興味が湧いたことで、
あれこれとペアの演技を見たのだけれども、
シングルではこれは無理だな、と思う表現の広がりは
とても感じている。
二人がやることで、エネルギーが10倍にもなるという言葉もとても納得。
そこに行くまでには並大抵の努力では到達できないだろうし、
また、努力だけではなんともならんものもある。
成美ちゃんは、NHKのインタビューで
「1+1が2になるように」と言っていたが、
それは、きっと、基礎を固めている今の彼女たちの状態のことで、
そのうち、それでは収まらなくなるってことは、
きっと成美ちゃん自身よく解っているのではなかろうか。

技の難易度だけではなくて、二人で醸し出す雰囲気っていうものが、
とても演技に影響してくる競技だなぁと感じる。
それは、ペアだけじゃなく、アイスダンスもそうだな。

個々がそれぞれ能力を出して、
一つのものを作り上げていくって、難しいことだなぁ。
そこにはやはり、シングルとは違ったやりがいがあるに違いない。
だからこそ、川口さんは
シングルが出来ないからペアをやる、ではなく、
ペアをやりたいと思う人にやってもらいたい
といっているのだろう。

理想のパートナーに出会えるかどうか、
それは縁とか運とかあると思うのだが、
そういうパートナーに巡り会えたかどうかは、
やってみないとわからない。
天からふってくるわけでもないしねぇ。

でも、例えばメリル&チャーリーみたいな演技を見ると、
神様ありがとう、この二人を巡りあわせてくれて〜
と思ってしまうね。
トップの選手の演技を見ると、そういうことを感じる。
この二人だったからこの演技ができたのね!と
奇跡的なものを感じるわ。

高橋・木原組も、本当に奇跡的なペアになってくれるといいな。

もう一度『ペーテルとペトラ』を読んで眠ろう。