とみいよむよむにっき

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雪・波・風が印象的でした

DVD借りて観た。
『飛べ!ダコタ』
素晴らしい自然が残っているところなのだなぁと、
とても感激してしまった。

福岡ではたった一つの映画館でしか上映されなかったようで、
とても残念である。

雪や波、風が、自然のままに映し出されていることや、
その穏やかさだったり、激しさだったりが、
人物の内面を映し出す感じが、とても胸に迫ってくる。

自然も素晴らしかったけれども、
所々、セリフになけたなぁ。
村長さんの言葉は、とてもいいなぁと思うものがいくつもあった。
英国人を泊めるかどうかという話し合いの場だったり、
滑走路を造っているシーンで、おばちゃんたちとの会話で
戦争を引き起こしたのはおらっちだという、
民衆の意識で戦争を止められなかったことへの悔いと、
これからは、絶対に戦争などさせないといった決意が
とても訴えかけてくるものがあった。

校長先生と健一さんの対話のシーンは、
どちらもぐっと来た。
とくに、校長先生の表情はねぇ、
送り出した時の晴れやかな表情とは、
あまりに対照的な、申し訳なさや、後悔みたいなものが
どどーんと溢れていてねぇ。

洞口依子さんの演じたお母さんも良かったなぁ。

仰々しさはなく、最後は想像通り、ダコタは飛び立つのだが、
中に細かな人物の戦争で受けた傷だったり、
立ち直った姿だったりが垣間見えて、
これは、今、見なきゃいけない映画だわね…、
特に、あの人は見なきゃいけないわ…
と思った次第。

8月開催のモントリオール世界映画祭に出品されるということで、
もっと沢山の人に観てもらえたらいいねぇと思う。

これが、本当にあったエピソードから出来上がったという
映画だからこそ、訴えかけるものが伝わってきたのだと
そう思う。

ヒロインが明るく前向き過ぎるのが、
ちょっぴりひっかかっていたのだけれど、
ここの住人の方々は、みんな前向きで困難も受け入れられる
そういう地域性があるのだろうと思えたし、
そうでなければ、ダコタは飛ばなかったろう。
それに、そういう地域性の中にも、
そうではない人たちもいることは、しっかり話に組み込まれて
いたので、いつの間にかヒロインを応援してしまっていた。

窪田くん観たさに借りてきたのだけれど、
うむ…良かったよ、やっぱり。
だけど、これは、作品が素敵だよね。
いろんな俳優さんが、それぞれいい感じで輝いてて、
その中でみんなとダコタが飛び立つことに、
少しも手伝いが出来なかった青年役で、
千代ちゃんのおかげで、自分の中に残っていた戦争を
終わらせることが出来た。
これもまた、ダコタが飛んでこなかったら、
ずーっと終わらなかったのかもなぁ。

そう思ったら、ほんと、ワンシーンワンシーンが大事な
映画であるなぁ。
波、凄いよ、波〜。
もう、ほんと、音楽は極力いれずに、波の音や
風の音で、十分である。

千代ちゃんと健一さんが、丘の上で会うシーン、
すっごい強風で、千代ちゃんがフラフラ、着物もバタバタで。
大変な撮影だったんですな。
吐く息の白さも、また、あの土地の寒さを感じた。
それでも、人々はとてもあたたかいのであった。