とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

嫌よ嫌よも好きのうち?

今日は、隙間の時間に、『Nのために』の
第二章を再読した。
(再読するほど…と思うが)
多分、ここで成瀬の真実が一人称で語られて、
三章以降、望、希美、西崎の真実の章が続き、
十年後の希美で終わる。

希美にとって、高校時代はNが成瀬だったのが、
野口夫婦の死に関しては、望のための行動であり、
最後の嘘は西崎の為に。

でも、結局、野口夫婦の死に関して、
真実を知らされない望は、
なんとなく、蚊帳の外みたいになってて、
でも、そういえば、成瀬も真実を知らないんだな。

これって…なんで、みんな、ホントのこと言わないの?
そういう人たちがあつまったこのNたちって、
一体何なのだ?

腑に落ちない理由が分かった。
これが真実だけど、こいつはそれを知らない。
これが真実だけど、こいつにはそれを言えない。
誰かのために、嘘をつく。
誰かのために、口を閉ざす。
そんなことだらけ。
だけど、読者には真実が明かされていって、
でも、それをNたちに伝えることは出来なくて、
もう、誤解やら思い込みやらがもどかしくって、
最後まで、結局明かされなくって、
だから、なんかイライラする。
そんで最後、明らかになるのかと思いきや、
そうならず…腑に落ちない。

これを、純愛というのか?
すっごい悲劇。そして、喜劇にも見える。
そして、もしかしたら、これって、
満足しているのは希美だけなんじゃ??とも思う。
まぁ、余命いくばくもなく、明らかにしたいという
思いがあるから、満足ではなかろうけど。
西崎もこれで満足なんだろうけど、
成瀬と安藤は、ずーっと、腑に落ちないままで、
なんだかよく解らないままの過去を
心の中にしまっておかなきゃならないって、なんか変。

N4人が集まって、希美が死ぬ前に
はっきりしてしまえよ…とも思うが、
そうはならないのだろう。

なんだか、誰もかれもが複雑で、
どっと疲れるなぁと思うが、
はっきり言って、誰だって、何やかやあるさ。
そんなのはみんな解ってて、
それでも知らぬ振りをしているのだと思う。
人前で笑っている人だってね。
そういう風に感じている者にとっては、
この小説を純愛ミステリーだといわれると、
そうなのかなぁ?と疑ってしまうわ。

ドラマになるのが、なんか怖いなぁ
と思いながら、今日の花子とアン憲兵兄やんを
見入ってしまったのであった。
腑に落ちないといいつつ、読み返すなんてことして
…なんだろうな、私…。

気持ちの切り替えに、『秘密の花園』を読んでいる。
秘密の花園 (福音館古典童話シリーズ (24))
メリーさんのへそ曲がりっぷりが、
潔くって、胸がすく思いである。
あっははーーー。