とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

Nのために 最終回 141219

不思議なドラマであった。

原作は読んでいたものの、まぁ、全く違ったものとして
楽しめたなぁと思う。

原作を読んだのも、ドラマを見続けたのも
窪田くんがどんな成瀬君を演じるかっていうのに
興味があったからであるが、
見事に期待通り…というか、
そうかぁ、これが成瀬君かぁと印象付けられた。

頼りたいかというと、そこまで強くもないし、
弱い部分もかなりあったし、
でも、絶妙の距離感を保ってくれる感じもするし、
なにより、べらべら喋りすぎない男っていう役が
なんか、良かった。
原作じゃ、ちょっと影の薄い役で、
なぜ、この役が二番手に…と思っていたので、
不思議な気がしていたが、
ドラマ終わって、まぁ、そうなるのね…と納得だ。

私が原作を読んだ時には、二番手は西崎さんに
つよい印象を持ったので、
こんなに成瀬君が重要な役処になるとは、
思っても見なかった。
純愛ミステリーって謳い文句にはちょっと、違和感はあるが。

ところどころ、唐突だなぁと思うところはあったものの、
15年間という時間を、巧く映像化してある感じがして、
終盤になるにつれて、また、初めから見たくなるドラマだった。

ドラマの中で、西崎さんが安藤のことを、
正しく美しいというセリフがあったが、
まったく、その安藤の明るさというのが、
ある意味目立つくらい、他の人たちの心の中に、
闇が潜んでいて、しまいには、安藤も
嫉妬心からチェーンをかけてしまうという…
人間って、なんか、愚かな生き物ですなぁと感じた。

そして、誤解というか、思い込みから、
変な方へ話がもっていかれるという
不安定さ…そういう運命だったのかもしれないが、
どうも、収まりの悪さばかり感じていたのが、
最終話で、あ…そうか…と納得させてくれたのは、
現在の成瀬君だったように思う。
希美ちゃんに島で待っていると話した時の彼は、
以前の自信なさげな成瀬君ではなく、
しっかり受け止めてくれると思わせる大人になっていた。
それは、野口さんちの事件直後に、覚悟できたこと
だったかもしれないなぁと血まみれの手が結ばれたときに
思った。
そして、ラストシーンも。

私はこのドラマを恋愛ドラマとは思っていなくて、
安藤のプロポーズとか、成瀬君と島で一緒に過ごすとか、
希美ちゃんが、何を選択するのかは
どっちでもいいか…と思っていたのだが、
やっぱり、一話からめちゃくちゃいい映像を見せてもらった
島での二人の高校時代を気に入っていたので、
嬉しいラストだった。

色々と、唐突なこともあり、なぜ?ってところもあるけど、
また、じっくり何度か見たら、あぁ!そうかぁと思えることが、
一杯発見できるような気もする。
そこまで、繰り返し見てもいいかなぁって。
でも、この余韻をただ、楽しんでいるのもいいだろう。
希美ちゃんの余命いくばくか…なのでハッピーエンドとは、
言えないかもしれないけれども、
高校生時代の辛さも何もかもひっくるめて、
希美ちゃんの最後までちゃんと成瀬君が見ていてくれるはず。
遠回りした感がしないこともないけれども、
ここまで来て、結局一緒に過ごせることになるとは、
やはり、そういう縁だったのだろう。

みんなが、闇から抜け出し、原作とは異なる爽やかな雰囲気で終わって、
みんなのこれからに、幸せが訪れそうに思える終わり方で
良かった。


次は、どんな人間になってくれるのかな、窪田くんは。
それが、楽しみ。
成瀬君っていう役をやることで、結構番宣でバラエティとか
出ていたけれども、やっぱり、役者さんは、
あんまり素が見えない方がいいなぁ。
なんてことを、ブランチで、賀来君と出ていた窪田くんを見ながら
思ったのであった。
演じている時の、ドラマの中の窪田くんは、
自然に演じているように見えるのに、
バラエティに出ている時の、なんとぎこちないことよ…。
窪田くんを見ていると、なんだか緒方拳さんを思い出すよ。
何だろかね…俳優さんでいて欲しいね。

NHKで、なんかドラマやって欲しい。
映画もぜひ!
来月はSTなんだけども…
あと、20日を切ったんだけれども。
成瀬君と、黒崎さん…違うよねぇ。
これからも、楽しみにしていよう。