とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

今年の読書傾向

今年も、あまり、本を読めなかったなぁという反省。
読んで良かった!と思う本に出逢ったことは、
良かったなぁと思うのだが、
読書にハマっている時期とそうでない時期があって、
今年はとくに、その差が激しかったようにも思う。

今年の読書記録から、
読んで良かったなぁと思うもの。

レ・ミゼラブル〈上〉 (福音館古典童話シリーズ 31) レ・ミゼラブル〈下〉 (福音館古典童話シリーズ (32))
今年初めの、時間をかけた読書。
本当に、大河ドラマとでもいうべき、
壮大な男の人生に、心揺さぶられた。

伝説のエンドーくん
この本は、一気に読んだが、心に残る一冊。
人って、本当に外に見せているのは一面で、
いろんなものを抱えていることを、
改めて感じる本だった。
人と付き合うときには、その、隠された部分を
想像しつつ、でも、入り込み過ぎず、
といった心遣いが必要だけれども、
それは、大人になっても至難の業である。

宝さがしの子どもたち (福音館古典童話シリーズ (12))
ネズビットの物語は、沢山の兄弟姉妹たちが
出てきて、とても愉快だし、
想像するのが楽しいので、好きだ。
そして、その沢山の兄弟姉妹たちの中に、
自分が感情移入しやすい一人が見つかるから
とても読み易い気がする。
子どもたちのキャラクターにとても魅力を感じる。
今年は、ネズビットの本が二冊出たのだが、
まだ読んでいない。

ここまでは、児童書関連。
続くは、一般書より。
今更、なものもあるのだが、
職場を変えたこともあって、自分で好きに読む時間が
増えたことや、通勤の20分間の電車というのが、
私にとっては、とても貴重な時間になっている。
11月12月は、電車の中で色々と読んだ。

今年は、いくつかのドラマにはまり、
窪田くんがらみのドラマ原作本を読むということも。
特に、これまで読んでこなかったような
STのシリーズは、結構はまって立て続けに読んだ。
読み易いので、何冊も楽しめた。
『Nのために』も、ドラマの前に読んでみたが、
色々感じるところは、既に感想を書いているので…。
ドラマ、面白かったし、映像が綺麗で、
なんだか、凝ってたように思う。
本の方が好きな部分もあり、ドラマの方が上手いと
思った部分もあり…。
窪田くんがらみだと、読んで良かったぁと思うのは、
ふがいない僕は空を見た
これだな。
この映画も、好きだったが、本を読んでいいなぁと思った。
あまり、女性の書く日本の小説は好みではなかったりするが、
この本は違っていた。

それから、今年の後半は
「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義
これにはまった。
平野啓一郎、好きだなぁと、改めて実感。
村上春樹の『雑文集』と並んでいる背表紙に、
ニヤニヤする私…。

あと、出会ってよかったと思うものは、
手仕事の日本 (岩波文庫)
私が買ったものは、古本屋さんで見つけたもので、
今でも帰るのだが、紙の焼け具合などから、
大変時代を感じながら読書できるという
プラスアルファを頂いた。
電車の中で、この本を読んでいると、
日本のあちこちを旅して、民藝品を見て回りたくなる。
これを読んだこともあり、
今年は、ここ数年では珍しく編み物をして、小物を数点作った。
手作りに心を込める事の、楽しさややりがいというものを
感じつつ。

石井桃子のことば (とんぼの本)
この本は、じっくり読むというより、
眺めるだけで、全く知らない石井桃子さんを
近くに感じる本だった。
石井さんの偉業に感謝をこめて。
岩波少年文庫の背表紙写真だけでも、
心が浮き立つのである。

他にも、結構気に入った本はあったのだが、
今年は、こんな感じだなぁ。

児童書を扱っている書店での仕事を辞め、
本とは全く関係のない職に就いたのは、
自分にとっては正しい選択だったと言わざるを得ない。
本を手に取るのが以前にも増して嬉しいし、
義務感などを払拭して本を紐解くということが、幸せ。
本よ、ありがとう。

来年も、自分の思いのままに本を読んでいきたい。
「読まなければ!」とは違う読書の時間を楽しみたい。