とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

「香・大賞」

先週、図書館に行ったとき、

いろんな催し事などのリーフレットを並べている棚の中に、

第31回「香・大賞」エッセイ作品募集

のリーフレットが並んでいて、つい手に取ってしまった。

京都の香老舗松栄堂というお香のお店が主催となっている。

 

私は、お香とかアロマとか、全くと言っていいほど興味がないので、

「香り」をテーマに何か書いたとしても、

おそらく、この主催のお店が喜ばれるようなものは、書けないのだが、

その「香り」を膨らませていくと、誰でも、

日常に面白い題材は見つかるような気がする。

 

とはいえ、あちらさんが求めているものと違う駄文を

わざわざ送りつけてもねぇ…

と思って、このお香やさんのHPに、情報を得に行ってみた。

すると、なんと、なんと!

昨年の受賞作の20点の中に、知り合いの名前が!

そして、受賞作品はどれも読めるようになっていて、

その知り合いの作品も読むことができた。

 

読んでいたら、応募している人は、文章力のみならず、

感受性もゆたかだし、日常の細かな所にも

心を注いでいるのだなぁと感心し、

そういうところに応募してみようなどと考えたことを反省した。

 

その知り合いのことを、深く知っているわけではない。

しかし、たった800字の中によって、

彼女の感性というかその人となりが、

深く深く伝わってきて、とても幸せな気持ちになった。

こういう文章が書ける人なんだなぁと感心はしたが、

まぁ、さほどびっくりせずにいるのは、

そういうただならぬ感受性の持ち主というのを、

彼女のおはなしから、なんども思い知らされていたからかもしれない。

今度会ったら、この話から、会話が弾むかしら。

それとも、知らぬふりをしていた方がいいかしら。

 

そんなことを考えていたら、

彼女の擦るマッチの香りが微かに匂ってきた。

あー、また、彼女と本の話をしたいなぁ。