とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

大好きな人の為に

今、こちらを読んでいる。

ハイジ〈上〉 (福音館文庫 古典童話) 

上巻も終わりに近い。
もうすぐおじいさんのところに帰る。
つまり、今、夢遊病で、ハイジが苦しい所。

おばあさまが、神様にお祈りするようにと、
ハイジを諭す言葉が気に入っている。

こういう風になりたいと思っても、
その思いが叶うことばかりではない。
努力しても、叶わないことが多い。

叶わないのは、神様が見捨てられたわけではなく、
もっと、自分にとって、別の幸せがあるから。

良いようになるようになっていると、
祖母に言われたことを思い出す。

いい人生だったか、そうでなかったか、
それは、最期の時までわからない。

ただ、良い生き方を自分なりにみつけて、
良いようになるように、
心に抱き続けること、まっとうに生きていくこと。

アニメでは、感じられなかったこの宗教観が好きである。

もうすぐ、下巻。
ハイジ〈下〉 (福音館文庫 古典童話)
毎日、少しずつでも読み続けようと思っているが、
やっぱり、一気に読みたくなる。

夜更かしすると次の日に酷い影響を及ぼす、
そんな齢になってきたので、
なかなか、無理は出来ないが…。
『ハイジ』は、逃げないから、落ち着いて
読み落とさぬように、じっくり読もう。


そういえば、アニメで、
おじいさんの山小屋にくらしはじめて、
チーズ作りを手伝うという話があったが、
あれは、原作にはない。
ゆきちゃんが山を下りてきてしまったので、
ミルクをかき混ぜるのを辞めて、山へ送り届けに行き、
その間にミルクが鍋に焦げ付いしまう。
山小屋に帰ってみたらおじいさんが、
鍋のコゲをナイフで削っていたシーンが忘れられない。
ハイジは怒られないのだが、あのシーンは大変怖かった。

ハイジが、山小屋での暮らしに、あっという間になじみ、
おじいさんがハイジにとって大切な人になっていくというのが、
原作は、結構あっさりと描かれているなぁと思うが、
それでも、おじいさんの人間性というのは、
解りやすく描かれている。
へんくつなおじいさんではあるが、愛情はとても深い。
言葉は少ないが、十分に優しさは伝わるのである。
なんと言うか、日本の侍みたいな人に思われる。
あ、三國連太郎さんを思い出しちゃうなぁ。
風貌といい、無口な気難しそうな感じといい、
なんか、ぴったりではないか。