とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

好きなものが同じであること

中学三年生とちょっとだけお話しする機会があって、
「部活はいつまで?」
ときくと、
「来週、最後の大会です」
という答え。
何部か尋ねると、
「ソフト部です」と。

中学三年生くらいだと、よく知らないおばちゃんと
一対一で会話するなんて、(勘弁して〜)と
思うんじゃないかなぁ。
ちょっと、表情が硬いなぁとは思っていたが、
「あ、私も中学時代、ソフト部でした」
というと、まぁ、表情が一気にぱぁっと明るくなった。
「ほんとですかっ!」
って。
つい、笑ってしまったが、彼女にポジションを訊くと、
嬉しそうに答えた。
一緒に部活やってるわけじゃないのに、
なんだ、この一瞬に縮んじゃう人間関係は。

自分が好きなことを、好きって言ってもらえる事は、
あの頃、自分を認めてもらった気がしてたっけ。

いまでも、そう。
自分が好きなことを、好きって言ってくれる人には、
つい心を許しちゃうね。

共通の好きが多すぎても難しいけれど、
いくつか共通の好きがあると、
人間関係がうまく行くんだよね。


この春、新しい学びを始めた若いお友達から、
数カ月ぶりにメールが届いた。
夏至には、連絡を取ろうと思っていた
なんていう、まぁ、粋なお言葉で。
その若いお友達は、どこか共通項があるような気がして、
そして、世代の違いなんてのを、
蹴り飛ばしてくれるような気がして、
生活圏は離れてしまったけれども、
それに、メールやラインで連絡取り合っている
っていうわけでもないのだけれども、
でも、長くお付き合いしていきたい人である。
彼女とも、共通の好きなものがあった。
同じものばかりが好きなのではないけれど、
でも、好きなもののことを考えると、
やっぱり、彼女のことを思い浮かべてしまう。
そういう、つかず離れずの人間関係の心地良さを感じる。

切ってしまうのは、とても簡単。
疎遠になるのも、自分には簡単なこと。
だけど、なぜだか、連絡を密にとりあわずにいても、
切っても切れない仲というものがあり、
それを大事に出来る存在に、ありがたみを感じる。
彼女の存在は、心地いい。
静かに誰かの傍に添う、難しいことだが、
彼女は、それが、とても上手にできる人だ。

メールの返事が数日後であっても、全然構わない。
元気でいてくれたら。
時々、思い出してくれていたら。
一緒に見た虹や雲や月、絵本の原画展。
そして、たった一本の映画を、
なにかの時に、思い出してくれたら、それでいい。
私も、何かの時には、思い出しているからね。