とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

「赤ちゃんってあったかいんだな」

って、映画『はさみ』で洋平が言ってたが、
ホント、赤ちゃんって、あったかいのである。
このムシムシの時季、
赤ちゃんはあったかいを通り越して熱いのである。

今日は、おちびちゃんたち相手のおはなし会だった。
おちびちゃんたちは、0,1,2歳が来てくれるが、
今日は、もうすぐ1歳〜1歳3か月くらいの子が
4人来てくれた。

同じ会の先輩メンバーと二人で、4組の母子に
2冊ずつ本を読み、わらべ歌を歌っての20分間。
そのあと、少しの間、赤ちゃんたちは自由に動き回り、
お母さんたちはおしゃべり。
終始なごやかな時間であった。

今日の年長さん1歳3か月くらいのIちゃんは、
歩くのが上手で、じっとしていない。
だいたい、歩き始めてしばらくのおちびちゃんたちは、
本よりも、歩きまわることが楽しいのである。
だから、そういう子がいても、
それが当たり前だと、読み手には解っているので、
「申し訳ない、邪魔しちゃうから、もう行かない」
ではなくて、ぜひ、ご参加いただきたい。
お母さん方の中には、そうやって、歩きまわる
我が子に、どう対応したらいいのかわからないかたも
多々いらっしゃるように見える。
その子のおかげで、場が和むこともあるし、
他の子に絵本が見えなければ、読み手が工夫するべきだし、
読み手がその子に声をかけることもできる。
お母さんが、恐縮される必要はないのである。

ただ、時々気になるのは、
その動き回っている我が子に、声をかけたり、
時々連れ戻して自分のお膝にすわらせたり、
といったことをまったくしないお母さんが、
たまーにいらっしゃること。

こちらも、それとなく声をかけるが、
われ関せず、という、不思議なお母さんがいらっしゃる。
あなたのお子さんじゃ、ありませんの?
と思うことが。

今日は、そんなことはなく、お母さんも
時々、呼びかけたり、自分の膝に座らせたり
それで、こちらも、やりやすかった。
地域でやっているおはなし会は、
ご近所さんたちが集まるので、
雰囲気もいいからだろうと思われる。
だいたい、われ関せずのお母さんは、
大人数のお楽しみ会的なおはなし会だったり、
いっかいこっきりの、お試しのときなどに
多いような気がする。


Iちゃんは、もう、人見知りの時期を過ぎ、
うろうろして、わらべ歌の時に私の前に立ちはだかったので、
「ほら、おばちゃんのお膝においで」
といったら、かわいいお尻を向けて、
ちょこんと座ってくれた。
あったかいを通り越して、熱かったけれど、
不快ではないのだろうな、ニターと笑っていたから。

以前、赤ちゃんのおはなし会は、とてもドキドキした。
それは、泣いたらどうしようとか、
他の赤ちゃんが、うろうろする赤ちゃんの方を気にして、
絵本を見てくれないなぁとか、
お母さん、楽しそうじゃないあなぁとか、
気になることがいっぱいあったから。

でも、最近は、おはなし会ではあるけれども、
おちびちゃんたちのおはなし会で大事なのは、
絵本を見ることよりも、そこに集まった人たちの
声や感情・表情が、赤ちゃんに届くことなのかもしれないと
思うようになった。
もちろん、赤ちゃんへ絵本を読んで、
凄くじっと絵を見て、聞いてくれる本もあるが、
お母さんと一緒に、楽しい心地良い雰囲気を味わうことが、
きっと、赤ちゃんたちがその後本好きになることに
繋がっていくような気がする。
お母さんたちにも、わらべ歌や絵本を通して、
楽しい時間をお子さんと共有できたことで、
きっと、リフレッシュされると思う。

今日は、熱い赤ちゃんを抱っこして、
♪いもむしごろごろ♪したり、
♪ふくすけさん♪って、
足の指を触ったりしたのだが、
そういうのって、おはなし会をやってるほうも、
すごく幸せな気持ちになるのである。
人見知り時期の子を、無理矢理だくのはNGだけど、
こうやって近づいてきてくれる子を、
赤の他人が、孫のように抱っこできることを、
お母さんも、安心してみていられる、
そんな場所って、この世知辛い世の中、
なかなかないでしょう?
お母さんたちって、この読み手のおばちゃんたちを
信頼して下さっているんだなぁと、感激する。

ドキドキしていたばかりのおはなし会をしていた頃には、
感じ取ることができなかった、お母さんたちの表情とかも、
最近はとてもあたたかく感じる。
そこにいけば、あのおばちゃんたちがいて、
たのしい絵本と、おうたの時間がある
それが、定着するといいなぁって思う。

今更であるが、コミュニケーションのとり方を、
若い母子から、学ばせてもらっている。
有難いことだ。