とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

投げかけられた人生のテーマ

中学1年生の時の担任の先生は、

田舎では珍しい東京の有名私大を卒業した

社会の新任の先生であった。

 

その先生が、今年の春還暦というので、

何か、おめでとうの言葉をと思うのだが、

実家がすごく近いにもかかわらず、ご無沙汰ばかりしているので、

会いに行くのも恥ずかしい。

 

先生には、受け持った大勢の中の一人でしかないと思うのだが、

私にとっては、かなり、影響を受けた人の一人である。

 

中学の頃、一冊の本を貸していただいた。

それは、灰谷健次郎氏の『兎の眼』だ。

そして、高校生の時、先生が一冊の本を私に

プレゼントして下さった。

それが『二十歳の原点』。

はっきりいって、この『二十歳の原点』には、

19歳から23歳の頃まで(実際は、現在もそうなのだけれど)

かなり振り回されている。

この本の内容についても考えることが多かったが、

先生が、なぜプレゼントにこの本を選ばれたのか、

それは、ずっと私の中で問い続けてきたことだ。

 

テーマは「独り」である。

そして、いまだにこのテーマには心が持っていかれる。

 

先生が還暦を迎えられたとき、お祝いと感謝の言葉を伝え、

どうしてあの本を下さったのかと尋ねてみたい。

 

W大学を出て、中学の教師になって、

管理職にもならずに36年間をずっと教職でやってきた

先生のことを、何も知らないままであることは、

何だかもったいないことである。

先生と話をしてみたいなぁと思う。

先生の誕生日は4月。

忘れないよう、スケジュール帳にメモしておこう。

 

「独り」という言葉には、大変惹かれるし、憧れる。

人間は生まれてから死ぬまで「独り」だ。

その独りである自分だが、そのたった独りも

コントロールできない、理解できない自分がいる。

「独り」とはいっても、かなり無限な広がりを感じる今日、この頃。