とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

娘が面白がっていたので読んだ本

娘が図書館で出会った本。

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シンプルな表紙。中は、写真と交互に編まれている太宰治の『女生徒』

娘が暇なときに、青空文庫で読み始めて、

本に手を伸ばし、一気に読み上げた本。

自分と重なる共通部分があって、面白く読めたらしい。

 

娘のお薦めだし、太宰だし、

100分de名著でもやってたなぁと思って、読み始めて、

やはり一気に読み上げてしまった。

朝、眼が覚めて、夜、眠りにつくまで、

若い女性が考えていることを、全部活字にしました、というような、

一人称で書かれた文章は、身につまされるとか、

あほらしくて笑えるとか、取り留めもなく巡って疲れるというか…

人間って、一日、物凄~く多くのことを考えているのだなぁと思った。

実際、そうやって、自分が考えたことが文字おこしされたら、

読み返したくないよぉ(怖くって)

しかし、本当に、若い女性の心理が書きつくされたといっても

いいくらいだ。ほんの一日のことなのに。

 

頭が薄ぼんやりとしている春の日に、

太宰を読むのはきつかろう、と思っていたが、

薄ぼんやりだから、余計に響くこともあるなぁと感じた。

やっぱり、いいねぇ、太宰治って。

ほんと、正直者って感じがする。

 

また、この『女生徒』を読んでいく中で、私は、平野啓一郎氏の

「分人」主義を考えた。

時代は変わっても、変わらない人間の普遍性に、

もっと、目を向けたほうがいいように思う。

新しいものばっかり追っかけないでさ~。