とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

サトクリフを読む娘

無理じゃないだろうか…と思いながら、

図書館で閉架の本を出してもらっている娘の後姿を

半分不安、半分期待して見守っていた。

 

予想通り、ページが進まない。

集中力がなく、すぐに閉じる。

また、想像し読み解くのに、難しい時代背景でもあると、

大人の自分も思っているから、

懐かしい児童書も開く気になれない娘に、

サトクリフは、困難だろうと思う。

 

けれども、上橋さんのエッセイに出て来たこの本を

読みたいという気持ちが湧いたことは、

私は本当に嬉しかった。

本を読むこと、小説を書くこと、それが彼女の好きな分野であり、

また、少女の頃、彼女がどれだけ本に救われてきたか知っている私には、

彼女が本を読みたいという気持ちを持っただけでも救いであった。

 

が、しかし、

その本を開いて、ページが進まないのは、

自信を取り戻すどころか、さらに自信を無くすことになりはしないか…。

 

そんな、私の心配を知ってか知らずか…

毎日、少しずつだけれども、『第九軍団のワシ』を読んでいる娘。

難しいといいながらも、読みたいという気持ちが

必死に文字を追わせているように見える。

以前の彼女だったら、2時間もかからずに読んでしまっただろう。

しかし、今は、30分読めて、数ページ。

そして、かなり疲れるらしく、「今日はここまで…」と閉じる。

猪熊葉子氏の、格調高い日本語が、娘に響けばいいのだが。

 

アーサー王と円卓の騎士』サトクリフのオリジナルを読んだ時、

得意分野ではないけれども、私にも楽しめたので、

岩波少年文庫に変わって行ったサトクリフの作品を

いずれ、読んでみたいと思っていた。

彼女が読み始めたのが、サトクリフのローマン・ブリテン四部作の一作目

だということを知り、四部作を調べてみた。

1『第九軍団のワシ』

2『銀の枝』

3『ともしびをかかげて』

4『辺境のオオカミ』

ということらしい。

娘が借りてきているのは、1と4。

ひとまず『辺境のオオカミ』は返却したらいいかもしれぬ。

 

全て、閉架にあるというのは、どういうことだ。

また、岩波少年文庫版があればいいのに…とも思う。

まぁ、娘はハードカバーのほうが好きだけれど、

ケアセンターに通うのに、結構な距離歩くことを考えると、

文庫のほうが良さそうだ。

重そうに、荷物を肩にかけている娘。

早く読めたらいいね。

私も早く読みたいが、娘よりも先に読んではならぬ、と思っている。

(歴史物、海外の物が苦手な私に、読めるかは謎)

気になるサトクリフの、ローマン・ブリテン四部作!