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とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

読了『マチネの終わりに』

静かな場所で一日かけて、じっくり読むべき本。

主婦には、なかなか難しいが、

家族が居ても、結局家事そっちのけで

休日浸りまくった一冊。

蒔野と洋子が、知性的で分別良過ぎて、哀しくなる。

何がって、恐らく、私は蒔野と洋子の間の年なので、

 読みながら、「なぜだ?!」と思う

自分の分別のなさ、大人気なさというのを、

凄く感じたからである。

 

恋愛小説と言われると、そうなのかもしれないが、

恋愛小説というジャンルに入れてしまうのは、

あまりにもったいないような気がする。

私が昔から、「恋愛」という言葉に、

憧れなどでなく、嫌悪感を持っているからだろうか。

ちょっぴり反省。

でも、この本で、複雑な心の体験をしたので、

恋愛小説への嫌悪感は拭い去られた気さえする。

 

最後は爽やかだった。

二人が、出会った必然性を考える。

これは、偶然ではなかったろう。

たとえ、夫婦という形でなくても、

精神的な支柱でありつづけることは可能である。

もしも、回りが、それを許さないとしても、

二人、一緒に暮らすことが出来なくても、

この縁は、切ることが出来ないような気がする。

 

洋子の生い立ちにも、大変深いテーマがあり、

また、蒔野の芸術家としての苦難というテーマがあり、

全体を通して、だれもが、それぞれ何かを抱えて生きていることが、

ひしひしと伝わってくる小説だった。

 

あー、うまく、この感動を伝えることが出来ればいいのに、

私の言葉力では、この感動のひとかけらも伝えられないのが

情けないったらありゃしない。

また、近く、再読したい。