とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

運か不運か

コメント読んでいて、本の価格について考察したこと。


私の趣味は、読書である。他にも趣味的なものは
いろいろあるけれども、今の自分の生活で、
趣味は一つに絞りなさいと言われたら、
やっぱり読書を選ぶ。


ダンナや子どもには決まった小遣いがある。が、私にはない。
働いてはいるけどフルタイムではないので、
ダンナの(交通費+食費+小遣い)になるかならないか…
くらいの賃金しか入ってこない。
自分の自由になるお金なんてのは、ほとんどない。


将来の蓄えもなく、どうすんだろうなぁと
他人事のように思うこともあるけれど、
正直なところ、普通に生きてる。
うちは貧乏だから…と、子どもたちに我慢してもらうことも
多々あるけれど、
蓄えはなくても、それなりの生活をしているし、
子どもたちは不服を訴えるけれど、
上の子は山ほど本やら同人誌やら持っているし、
自分用のパソコンも部屋に備え付けられている。
下の子はこれまた山ほどカードを持っているし、
ゲームソフトは小遣いで新しいのを買って、
買い取ってもらってまた買って…の繰り返し。
ダンナは自転車用品と漫画に費やし…。


たぶん、みんな、好きにやっている。
たぶん、よそとは比べ物にならないくらい、
おしゃれには気もお金も使っていないが。


おそらく…趣味っていうのは、
何かを我慢しても全然平気っていうものなんだろう。
ダンナはその趣味のために外食を安く上げて、
自分の小遣いを増やしているはず。
子どもたちも、新しい服を買うよりは、
本やゲームを買いたいのだろうし。
同じように、新しいセーターを一着増やさずに、
何年も来ているセーターをまた今年も着て、
浮いたお金で本を買う私。
なんなら、2、3日くらい晩御飯のおかずがなくても、
毎食素うどんでも、買いたい本があったら我慢できる。


運か不運か…趣味っていうのは、
お金がかかろうが、かかるまいが、好きな物は好きで…
例えば、車が趣味の人は、そりゃぁお金がかかるだろう。
ブランド物のコレクターなんて人も、
どれだけお金があっても足りないくらいだろう。
私は運よく、趣味が読書であって、
驚きの無料でどれだけでも読ませてくれる
公立図書館というものがあり、
もちろん、一冊分くらいは税金を払っちゃいるだろうけど、
リクエストしたら、よその図書館から回してくれるなんて
サービスまでやってもらえて…ありがたやありがたや…
しかし、もしかしたら、いつどこで本のコレクターになりたい、
私設図書館が欲しい!と思うかもわからないので、
運がいいとは言い切れない。


本を読むことは、自分の体を成長させ、維持させるために
食物を摂取するのと同じことだ。
本は自分を動かすための原動力となり、精神の糧となる。
時にはビタミン剤にも、鎮痛剤にもなってくれる。
だから、私は、ご飯を食べるように、本を読む。
食品・米を買うように、本を買う。
(嘘、そんなには買えない)


そこで…本の価格というのは、高いか安いかというのは、
結構微妙な問題だ。
本、一作品一作品で、自分にとっての価値が違ってくる。
私が安いと言った定価1400円の本だが、
たぶん、気になる箇所、好きな言い回し、考えるべきテーマ、
いろんなところに付箋を貼って読んでいったら、
付箋だらけになるだろう。
相当…熟読するのに時間もかかるし、
あっちいき、こっちいきしながら、
到底二週間で読み切れない。
図書館に返すときは、付箋は外さねばならない。
それに、気になった時、ふと捲ってみたい。
そう、実父の使っている国語辞典みたいに。


日本だけでなく、なんと50か国語に翻訳されている
ノーベル文学賞もらうんでは?というくらいの
日本を代表する作家と考えると、
その人の作品はもちろん、その人の思想的なものを
のぞいてみたいと思うのは、ファンでなくても
思うところではないかしら。
私にとっては、ダンナ・子どもが大好きな
漫画『ワンピース』3巻分と考えると、
むっちゃ安い!!と思えてくる1400円であった。
私にとって、『ワンピース』はデザートのケーキで、
無くても全然かまわないものだけれど、
村上春樹雑文集』は、米5キロというと大げさだが、
それくらいは必要なものだ。
だから、安いと判断したのであ〜る。


あー、長かった。