立憲民主党街頭演説会 2017.10.12 @福岡天神ツインビル前
立憲民主党街頭演説会 2017.10.12 @福岡天神ツインビル前
枝野幸男代表演説
福岡のみなさま こんにちは。立憲民主党代表の枝野幸男です。
2週間前には新しい党を立ち上げているなんて全く思いもしませんでした。
10日前の2日が、記者会見でみなさんに結党を呼び掛けた、その日です。
あれから10日で、山本さん山内さんはじめ、私を含める78人、この総選挙一緒に戦ってくれる仲間ができました。
全国各地で「立憲民主党頑張れ!」とたくさんの人たちから後押しをしていただいています。
なんとかこうしたみなさんの声を選挙の結果につなげさせていただきたい。
そのために力を貸していただきたいと、お願いを申し上げます。
「このままでは、投票する先がない」
「この選挙、大事な選挙なのにどうしてくれるんだ」
たくさんの人から意見をいただきました。私も思いました。
無所属で戦うしかないなぁと思いました。でも無所属で私が戦っても、選択肢を示せるのは私の選挙区埼玉5区だけだ。
山本さんや山内さんの様に、地域で頑張ってきながら、無所属というのは非常に選挙にはハンディキャップがある。同じ思いで頑張ってきてくれていた仲間を、そんな戦いさせたくない。
何よりも全国各地で、このままでは受け皿がない、俺たちの思いを受け止める政党を作って欲しい。たくさんのみなさんから「枝野立て」と言っていただいた、その声に応えなければならない。その思いで立憲民主党を立ち上げさせていただきました。
これまでの政治はいろんな意味で上からの政治だったんじゃないでしょうか。
国民のくらしに、国民の声に寄り添う、そういう政治勢力が足りない。
「俺たちの声を聴け!」「俺たちの暮らしを見ろ!」これが、立憲民主党に期待をしていただいた「枝野立て」と言っていただいた皆さんの思いなのではないかと、私は思っています。
株価は、上がっています。
昨日まで連日のように、各党党首のテレビ討論などありましたが、安倍さんは「景気はいいんだ景気はいいんだ」と、一生懸命都合のいい数字を並べておられます。
本当にそうですか。この5年でくらしは良くなっていますか。
間違いなく言えるのは、日本の社会がますます分断をされているということです。
片方では、アベノミクスで喜んでいる人もいるでしょう。でも一方で、どんどんくらしが厳しくなって、たとえば、夢の持てない若者、意欲があっても借金しなきゃ進学できない、そこそこ頑張ってたはずなのに非正規の口しか就職がない、まだまだたくさんいるじゃないですか。
ロストジェネレーションと言われた世代で、ずうっと働いて頑張ってきてるけど、非正規でお金も貯まらない、結婚して家庭をもって子どもを産み育てて、当たり前だと思っていたことが当たり前にできない、そんな人たちがみなたくさんいるじゃないですか。
そうしたところに目をつぶって、アベノミクスの成果を強調する、この、上からの政治、もういいかげんにしませんか。
強いものを、豊かなものをさらに豊かにすれば、その豊かさが下々のところにも滴り落ちる、これが安倍さんの発想でしょう。確かにかつては、強いものをより強くすることで、日本全体が引き上げられました。高度成長の時代はそういう循環をしていました。
でも今は逆です。
国内で物が売れない、サービスが売れない、消費不況で日本の経済と社会は活力を失っています。格差が拡大をすれば、それだけ消費は冷え込みます。
普通の暮らしをしている人たちは、手にした収入ほとんどを消費をしています。生活のために使っています。お金持ちは使わないで貯蓄をしたり、投資をしたりできますが、普通の人たちはほとんど消費しています。その人たちの収入が減れば、そのぶん物は売れなくなって景気は悪くなるんです。逆に厳しい生活をしている人たちの収入が増えれば、もともとカツカツなんですから、増えた分は消費に回るんです。だから、貧困に苦しむ人の暮らしを下支えして、底上げをしていく、このことは、当事者のみなさんを助けるだけじゃない。そうやって、収入が底上げがされた人たちの収入が増えた分は、消費に回って経済を活性化させるんです。
上からの経済政策の、高度成長の時代は終わっている。草から支えて押し上げることでこそ、国内でちゃんとお金が回って、経済が元気になる。
21世紀はこういう時代なんです。この時代の変化についていけてないからアベノミクスは5年やって、株は上がっても、あなたの実感が持てない。経済が元気にならないところに行っているんではないでしょうか、みなさん!
所得の低い人の所得を上げる、格差を是正する。いろんなことを同時にやらなきゃなりません。でも、具体的なことを2つだけ言わせてください。代表です。すべてではありません。
一つは、労働法制です。働き方です。長時間労働を是正する。過労自殺なんていうことをやめさせる。二十数年前までは、派遣なんていうのはごくごく特別な働き方で、そもそも制度として正社員で人を雇わないと、なかなか人は雇えなかったんです。一気にやれば、中小零細企業つぶれてしまいますが、労働法制を働き方の法律を元に戻していきましょう。一億総中流と言われていた、正社員で働くのが当たり前だった、あの時代に戻していきましょう。長時間労働をやめさせていきましょう。こうすることによって、人を雇う以上は一定の給料をちゃんと払って、生活を保障しなきゃいけないんだ、30年前はこれが当たり前でしたよ。そういう社会に戻しましょう。
もう一つは公の必要なサービスなのに足りてない分野があります。
その足りてない理由は、人件費が
安いから、こういう分野があります。代表は介護です。そして保育などにも言えます。おかしいんです。日本は資本主義自由主義の国です。需要があるのに供給が足りなければ、値段は上がるんです。介護の需要は沢山あるのに、介護の職員が足りなければ、そのお給料は上がらないとおかしいんです。保育所が足りないといってみんなが泣いている、保育所の職員さん、保育士さん集めるのはなかなか難しい、給料上がらないとおかしいんです。でも低賃金だから、なかなか人が集まらない。なぜですか、保育も介護もあるいは看護師さんなどの医療も、公のところで政治がここにはこれしか金使わないと押さえつけてるからじゃないですか。
限られた予算です。でも、時代遅れの大型公共事業にまわす金を、保育士さんや介護職員の賃金の底上げに使いましょう。そのことで人手不足の解消に向かわせる。
そうした皆さん、賃金が低いから問題なんだから、その人たちの賃金が増えた分は先ほど言った通り消費に回って、景気を循環させる。そして、老後の不安や子育ての不安が小さくなれば、安心して子供を産み育てようとする人、少しは老後のために貯えがあった人が、じゃあ元気なうちにちょっと使おうかな、こうやって世の中は元気になっていくんですよ。上からじゃダメなんです。下を介して底上げをしていくことが必要なんです。私たちはそうした暮らしに寄り添った政治、ここの部分が今まではすっぽり空いていたんです。ここにしっかりと私たちは新しい旗を立てさせていただいた。ぜひみなさん、これを支えていただきたいとお願い申し上げます。
上からの経済政策になるのは、政治の視線が上からだからです。
安保法制、集団的自衛権、立憲主義の破壊、権力は何によって正当性を与えられているんですか、安倍さんはなんで総理大臣なんですか。安倍さんは選挙で勝ったからだと思っている。これ、バツです。せいぜい50点です。憲法というルールに基づいて、選挙で勝ったからです。でも、憲法というルールは選挙で勝った人に白紙委任していません。何をやってもいいんだなんていうことを、そんな権限、権力を、憲法は与えていません。憲法の範囲で仕事をしろと、その権力を国会議員も、総理大臣も与えられているんです。
そこに、憲法九条があります。しかも、自分たちで決めてきた解釈です。外国では武力行使をしない、集団的自衛権は行使をしない、40年も50年も積み重ねられてきて、定着した解釈です。それを勝手に変えたら、縛っている意味がないじゃないですか。勝手に解釈を変えといて、今度は条文も変えさせてくれ、ちょっといい加減にしたほうがいいんじゃないか。
どうしても集団的自衛権、本当にこれが必要だと本当に思ってるなら、堂々とそのことを国民に信を問え。選挙でちゃんと堂々と訊け。裏口入学みたいなことで解釈勝手に変えといて、今度は自衛隊と明記するだけです。ごまかしで憲法をもてあそぶな。あなたが守らなきゃならない一番のルールが憲法なんだから、それに真摯に向き合え。
憲法だけじゃありません、森友・加計、あるいはPKOの日報問題、「寄らしむべき知らしむべからず」って言葉知ってますか?最近の教科書は書いてあるでしょうかね。19世紀お殿様の時代、下々のものには知らせなくていい、とにかく何もわからないであとからついてくればいい、言うことだけ聞いていればいい。まさに19世紀の発想ですよ。
そうじゃありませんか、森友・加計も、日報問題も。そして、この間進めてきたこと、特定秘密保護法、共謀罪、表現の自由も脅かすような大変危ない法案。
選挙の時には言わなかった。選挙で勝ったら持ち出して強引にやった。やる時も、ろくな説明できなかった。覚えてますか、あの法務大臣。
担当の大臣自身が中身解ってないもの、国民が解かるわけないじゃないか。わからなくてもいい、数があるんだから、だから勝手に押し切る、これが本当の民主主義でしょうか。上からの民主主義ではだめだ。
あえて言います、今の時代、時代の変化のスピードが速いです。変化のスピードに対応していくためには、強引にでもリーダーが決めなきゃいけならないこともある。だから、強いリーダー、決められるリーダーをある一面で期待をする。そういう声があるのはわかる。
例えば私も、東日本大震災の時に官房長官をやらせていただいた。本当に瞬間瞬間で状況が変わっていくんだから、誰かと相談して物を決めていくでは間に合わない。
そういうときも、そういうこともある。でもだからと言って、何でもかんでも強いリーダーシップで、俺が決めるんだ、あとはついてこい、これは時代遅れです。
時代の変化が激しい、スピードがほんとに速くなっている、一方でまさに価値観が多様化しています。人々の暮らしも多様化しています。かつては一億総中流と言われた、一億総中流ということは、国民のほとんどの人たちのくらしにあまり大差がなかった。でも、今は残念ながらというべきか違います。都市と地方、高齢者と若者、持っているものと持っていないもの、本当に人々のくらしも千差万別、多様になっている。価値観も多様になっている。そんな中で、「俺が決めたんだ、えい!」と言ったら、俺の意見も聞いてくれ、俺たちの暮らしも見てくれ、国民の皆さんの不満は溜まっていく一方じゃないですか。結果的に社会が分断されていくんじゃないですか。
これは、日本の活力とか未来という観点からもいいことだとは思えません。
価値観が多様化してるんだから、意見まとめるのは大変ですよ、ね。
全員が納得するような結論を出せませんよ。でもだからこそ、多様な意見に耳を傾ける、多様な意見・多様な立場、まず声を上げる、そのことをしっかりと受け止めるところから民主主義は始まるんじゃないですか。
一握りの人が、上から勝手に決める、そして、上の方を強くすればよくなっていく、これは20世紀の政治。21世紀、私たちは国民のみなさんと寄り添いながら、国民のみなさんの声に耳を傾けながら、共に歩いていく、もう一つの新しい選択肢を、多様性の時代だから、そして、格差が拡大をして多くの人々の困難が大きくなっているこんな時代だからこそ上からではなく下から草の根からしっかり支えて押し上げる、そんな民主主義とそんな社会を私たちは作らせていただきたい。
立憲民主党はこうした新しい旗で、今までの右とか左とか、そういう時代ではない、上からか下からか、私たちは草の根から前へこの時代を進めていきたいという風に思っています。その為にこの戦い第一歩、まずは安倍政権の暴走を止めなければなりません。私たちだけでは、とめられませんが、明確に今の安倍政治と理念のすじが違う明確な立ち位置を持って私たちは、この安倍政権を倒すという戦いのど真ん中を担わせていただきたいと思っています。そしてそのためには78人の仲間が厳しい中、立候補してくれました。出来るだけ多くの仲間に、できれば全員に勝ち上がってくれないと、大きな力になりません。
全員勝ち上がるためには、一定の基盤をもって、地域でこれまで活動してきた仲間には小選挙区で勝ってもらわないと困る。まさに、山本ごうせいさん、山内康一さんには小選挙区でみなさん、勝たせていただく。そうすることによって、実は九州でも福岡でも小選挙区の候補者をそろえることはできませんでした。でもそういうみなさんには、立憲民主党と、略称民主党ですから、憲法の憲の字難しければ、民主党と書いていただければ結構です。そして、勝てる人戦える人に小で勝ってもらえれば、比例の立憲民主党という、そうした票で比例代表で立候補して頑張っている仲間まで、藤田さんもその仲間に入っていただいています。
今私は、沖縄から福岡にやってまいりましたが、我々にとっても大事な沖縄の声・沖縄の思い、その声を我々立憲民主党として届けたい。沖縄からもわざわざ現職の町会議員さんが、現職辞職して比例代表の仲間に加わってもらっている。そうした声をできるだけ、立憲民主党の旗のもと、国会に送っていただき、新しい政治の流れを作りましょう。
これまでの上からの政治ではなく、右でも左でもなく前へ!新しい流れを作りましょう!
その為には、こうしてお集まりいただいているみなさんの力が必要です。ぜひ周りの人たちに声をかけてください。SNSの世界では、立憲民主党今、一番フォロワーが多い、力を与えていただいています。SNSを使っていない、周りのお知り合いお友達に、しっかりと輪を広げてください。それを投票行動につなげてください。もうすでに、どこでもいつでも、期日前投票できます。おすま住いの区役所や市役所で出来ます。ぜひともこの皆さんの折角の盛り上がりを現実の一票に、現実の議席につなげていただく戦いがここから22日までの戦いです。私たちも頑張ります。
山本ごうせいさん1区、3区山内康一さんも、そして藤田一枝さんもみんなで頑張りますが、でも、私たちの基本的な立ち位置、主役は私たちではありません。枝野幸男に枝野立てと背中を押していただいたみなさん、市民の皆さん、国民の皆さんこそが、立憲民主党の主役です!この選挙の主役です!
あなたの力で!私たちを国会に送っていただきたい。
高いところからではございますが、そのことをお訴えを申し上げます。
私にはあなたの力が必要です!力を貸してください!よろしくお願いいたします!