とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

喜びは何倍にも

先日、上の子を高校まで迎えに行った帰り、
マンションのエントランスで、
ビールの空き箱を抱えた二人の男の子を発見。
うきうきを隠せないその二人の様子に、なんだろ?
と思いながらエレベーターを待っていると、
少し開けようとしちゃ閉じ、また開けて覗こうとして
「飛んでいくかも〜〜〜」って。


よく見ると、一人は知っている子だった。
普通は、そこで、声をかけたりしないのだが、
うちの上の子がいたからか、すんなりと声が出た。
とみい「何が入っとると―?」
男の子(声をそろえて)「コウモリ!!」
とみい「えーっ?捕まえたと?」
男の子(知らない方の子)「リジチョーが捕まえてくれた」
とみい&上の子「リジチョーッ!プッ」
男の子たちはコウモリを見せてくれた。本当だ…コウモリ。
空き箱の底にしがみついている。
上の子「持って帰って飼うと?」
男の子「わからーん」
上の子「お母さん、びっくりするよー」
男の子(ニヤニヤ)
で、エレベーターが来て、二人は私たちより先に降りた。
この後、帰宅した我が家では、この話に花が咲いた。


この、たった一、二分の出来事だが、
そりゃーいろいろ微笑ましいやら、突っ込みどころ満載であり、
思い出しただけでもこっちがニヤニヤしてしまう。
あの、ビールの空き箱を抱えた、男の子たちの
満足そうなこと。小学3年だっけ。ギャングエイジだね。


コウモリを取ってくれたリジチョーというのは、
マンションの管理組合の理事長さんで、
子どもたちのことを良く見てくれるおじちゃん。
その子たちはちゃんとリジチョーと言っていたが、
うちの下の子たちはクミチョーなんて言ってた。
そのリジチョーさんが、コウモリ捕獲してくれたなんて、
持って帰ってこられた親からしたら、
余計なことをしてくれて…になるかもしれないが、
コウモリ捕まえてくれるなんて大人は珍しいだろう。
男の子たちにとっては、素敵なおじちゃんだ。


また、こんなことくらいで感動するっていうのも、
不思議だが、その知っている男の子、
こちらから一方的に知っているくらいの付き合いで、
上の子が何年も前に遊びに行ったことがあるから
覚えていたのかもしれないが、
エレベータに乗ったら、上の子の顔を見て
「○階ね」
と、ちゃんと我が家のある階のボタンを押してくれた。
世知辛い世の中だが、なんかホッとする出来事だった。


上の子といっしょでなかったら、知らんおばちゃんで、
声かけても、怪訝な顔をされたかもしれないし、
コウモリ見せてもらえなかったかもしれないし、
リジチョーがとってくれたことも教えてくれなかったろうし、
私が何階に住むおばちゃんかもわからなかっただろう。
子どもが一緒だと、いろいろ悩まされることが多いけれど、
喜びは何倍にもなるなぁ。
それも、ありきたりのことが、とても嬉しくなる。
本当に、子どもって幸せをもたらしてくれる
有難い存在だわ〜と、しみじみ思った。


それにしても、コウモリ…ちゃんと、逃がしてもらえただろうか。
それとも、ちゃんと、エサもらって飼われているんだろうか?