とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

浪人生

20数年前、一年間浪人生であった。
大学受験に失敗して、予備校に通った一年間。
当時は、そういうことは言われなかったが、
あのときは、学生ではなく、ニートであったな、
と、浪人生だった私は思う。
K塾に通うのに、地下鉄の学割が利いたが、
入塾してまず言われたのは、
「あなたたちは、学生でもない社会人でもない」
ということ。
じゃあ、一体、どういう立場?!
と、かなり不安をあおられた。
「だから、来春は合格して、さっさと学生になりなさい」
ってことだったのだと思う。

予備校に通うのに、学割が利くってなぜだったんだろう?
塾生証を見せて購入していたから、
あれが学生ってことを証明していたんだろう。

来春、上の子が専門学校生になることが決まって、
どれくらい交通費がかかるのか?と気になっていたが、
我が子が通う専門学校は、認可校なので学割OKなのだそうだ。
では、認可校でなければ、学割が利かないのか。
それは、どういうことなんだろうな。

専門学校で、学問に勤しむ学生で、学割が利かず、
社会人でも学生でもないと一喝された浪人生が、
学割OKであったのは、なぜなんだろう?

あのころは、ニートって言葉はなかったが、
浪人生というだけで、結構肩身の狭い思いをした。
一年間で絶対抜け出なきゃ!と思ったし、
それでも、私立にはやれないよという、親の思いは、
かなりのプレッシャーであった。
お金を使わせて、申し訳なかったなぁと思ったが、
大学を卒業する前の年に、妹が私立大に進学を決めた時、
え?私立…受けても良かったのけ?と、
膝の力ががっくりと…
しかし、思えば私は大学受験で失敗はしたが、
合格できなかった大学を受験しに行ったことは、
楽しい旅行の思い出にもなって、
一年間浪人生ではあったけれども、貴重な経験であったなぁと思う。