とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

九州人

『同窓会』(2008)を見た。

その土地土地の言葉というのは、
知っている者には特別な響きにより、
親近感を覚えるねぇ。

『同窓会』は九州長崎は、島原出身の映画監督が主演。
出演者は高校時代の友人たちがほとんど。
その仲間たちのやり取りの中で交わされる会話は、
もちろん、その土地の言葉だ。

九州人である私には、自分の知っている言葉とは異なっても、同じ九州の言葉であることは伝わってくる。
それが、俳優さんの中に根付いているものでなくても。
もちろん、お芝居です…という感じの俳優さんもいるけど。

標準語を話す地域にとって、土地の言葉は、
それも、聞いたこともない言葉は、
ちょっとやそっとじゃ自分の中に入ってこない。
特徴のあるイントネーションと、語尾
それだけでも、身に着けるのは大仕事だろう。

コメディタッチではあるけれど、
高校時代を回想するシーンには、
ノスタルジーを感じさせるあたたかさがある。
そして、その映像は柔らかい。
私が九州人だからそう思うのだろうか?

窪田くん目当てで借りてきたDVDだったけれど、
なんだか面白い映画だった。
どんでん返しというには、ちょっと甘い。
雪が気分が悪いという時点で、
考えられるのは、病気のほか、女性ならご懐妊かな?と
思うのは、女性ならではなのかもしれない。
男性の作った映画ということで(南役の方が監督・脚本なのね)
そこは、目をつぶるべきか?

回顧シーンに出てくる窪田くん演じる中垣君は、
雪とお似合いで…なのだが、
やっぱり、シーンシーンを見ていると、
中垣君、南を意識してるなというのは、明らかで、
そして、それは、どうみても、
牽制や敵対心なんかじゃないのがよく解る。
南は、自分が雪を想っている気持ちでいっぱいだから、
雪とお似合いの中垣君って、ライバル心を持って見るのだが。

それは、映画の冒頭に出てくる
「勘違いは、人生最高の悲劇でもあり、喜劇でもある」
という言葉が残っていれば、
雪の妊娠を、病と誤解する南の勘違いはもちろん、
雪が中垣君をずっと想い続けているという勘違い、
そして、中垣君が雪を好きだという勘違い、
そのあたりは、映画の中で、少しずつこちらに
「あれ?もしかして?」
と思わせる作りになっているのが、巧さかな。
中垣君が勘当されて…ってところで、
あ、やっぱりそうなのか〜と、妙に納得できた。

しかし、最後の同窓会で中垣君が南に
万年筆の事を打ちあけるあたりからは、
南が雪の身体のことを勘違いしていることを、
判ってはいても、なんか、泣けてきてしまったなぁ。

ま、あっさり離婚を承諾した雪ちゃんの気持ちは、
理解に苦しむのであるが。

2008年の8月に公開ということは、
撮影はケータイ捜査官とかぶってる?
雪と教室の隅でこそこそしている中垣君をやってる
学生服の窪田くん、どんだけ頭小さいんだ?
って思えるし、凄く背が高く見えるんだけど…。
ケイタって、そんな風に見えないのは、なぜだ?

屈託のない中垣くんの、南くんへのアピールは
(今はそうとしか見えない)
ちょっぴり切なくなる。
喧嘩したと?ってとことか、金魚すくいとか、寺でとか。
もう、6年も前なのか。

あまりに窪田くん観賞が酷いので、
カテゴリ作ってしまった。
「百変化観察」よろしく。

これまで書いてきた記事も、ぼちぼちとカテゴリわけしましょう。