とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

近未来

ドーン (100周年書き下ろし)
読了

これって、やっぱりテーマは分人だよね?
そうなんだよね?
と思いながら、あの人この人に飛ぶ描写に
悩まされながら読み進める。

テーマの深さと、これも?これは?
と思わせられる、様々な深い問題に、
もう…人間、生きてるだけで結構疲れるな。
それなのに、こんな問題もあんな問題も
抱えなきゃならないのだね…と、
読み終わりは本当に溜め息であった。

読み易いのか、そうでないのか、
ほんと、平野氏の小説は読んでいて悩む。

『ドーン』が出版されて5年半。
早く読めばいいものを、後回し後回しにしてきたが、
今が読み時だったのかもしれないと凄く思う。
ISILのことが、他人事でなくなった日本。
『ドーン』の中に出てくる東アフリカの問題を読んでいるうちに、
きれいごとと思われても、武力で解決は、無いんじゃないか
と思わずにはいられない。
大統領選の候補者同士の最後の討論部分は、
難しかったので、時間がかかったが、
私ならどっちを指示するか?と思いながらじっくり読んだ。

そう、色々と、選択することが多いのね、
生きてるってことは。
リチャード・バックの『ONE』を、思い出した。

宇宙での話が中心になるのかと思ったが、
実はそうではなくて、いろんな読み方ができそうで、
ゆっくり読んだけれど、
もっとじっくり楽しめたら良かったかな。

しかし、近未来とはいっても、
今からもう、20年もないのだった。
こんな世界になるのも、あっという間なのかもしれない。
良い小説でした。
読んだ後で、ボーっとしたくなる読書ができて、
よかったなぁ。
こういう読後感、好きなのだ。