とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

こんな場所があればなぁ

『しあわせのパン』

とてもいい読書ができた。

久しぶりに、電車の中でのめりこんでしまい、

危うく遅刻するところだった。

続きを昼休みに読んでいて、ボロボロ泣いてしまい、

あぁ、涙もろくなってしまったなぁ・・・と、

年を取ったことを感じたが、それが嫌ではなかった。

 

いい場所だなぁ~カフェ・マーニがある町は。

人があたたかい。優しいし、強い。

ものすごい包容力である。

 

月の美しさももちろん、水の匂い、草の匂いがして、

地に足をつけた生活、

おいしいそうな天然酵母のパン、

じっくり手をかけて土地のものを使った料理の数々、

阿部さんのアコーデオンの音楽、

いろんなものに満たされた気持ちになる。

 

一番はまったのは、兵庫の銭湯のおじいちゃん夫婦の話。

年齢的なこともあるのだろうが、

こういう話を読むと、みんなが抱えているものの大きさ、

苦しみや悩みは、自分だけだと考えがちだが、

誰だって、何かしら抱えて生きているのだなぁと

改めて思う。

そして、自分も逃げずに生きていかなきゃなぁと思う。

 

良い本であった。

娘もデイケアで、一日で読み上げたようだ。

「感動するけど、おなかがすく話だったなぁ」

という感想だった。

たしかに・・・。

琺瑯鍋で、パンプキンスープを作ろうと思った。