とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

優しさとユーモアと

先日、子どもの読書に関してのお勉強会にて、
以前福音館書店で編集に携わっていらっしゃった
時田史郎さんの講演をじっくり聞かせていただいた。

科学絵本についての講演会だったのだが、
前半は、科学するということについて、
そして、子どもに科学する準備段階として
手渡す科学絵本について話された。

内容も大変聴きごたえがあったのだが、
もう、前に立たれたときから、
私には、なんて優しいお顔、穏やかな眼なのだろう
ってことが胸にババン!ときた。
お話は本当に、真面目な話をユーモアを
ふんだんに盛り込みながら、そして、
時には、ちょっと厳しいことも言及しながらの
講演会で、もう、本当にあっという間に3時間が
過ぎたのであった。

ユーモアも勿論なのだが、言葉の響きが
ユニークというか…繰り返しの擬音や、
子どもの言った言葉を伝える時に、
あー、そうそう、子どもってそんな感じと
凄く良くわかる言い方で、
さすがに、子どもの本に携わっていらっしゃった方だなぁと
もう、感心しきりだった。

こんなおじちゃんが近くにいたら、
毎日面白かろうなぁと思ったのだったが、
大人には厳しそうだなぁとも感じた。
けれども、本当に子どもの成長のことを考え、
子どもが科学に興味を持つというよりは、
自分で考えるということを第一に、
知識の詰め込みでは何もならないという
信念を持って雑誌作りにかかわって来られたのだなぁ。

かがくのともや、たくさんのふしぎは大好きな雑誌なので、
こういう人たちがいて、この雑誌が
また、ハードカバーになった、あれとかあれとかが
今でも子どもたちに楽しまれているのだなぁと納得だった。

もっと時間があったら、いろいろ質問もしたかったなぁ。
そう言えば、勉強会ではあったからかもしれないが、
後半は時間いっぱいまで質問があって、
質問してみたい!という気持ちにさせられたのは、
私だけではなかったようだ。

講演会の途中、お母さんについて来ていた
小学校2年生くらいの女の子が、
折り紙を折ってまっていたのだが、
時田さんのお話をききながら、ケラケラ笑っていたのが
凄く印象的であった。
子どももひきつけられる、そんなお人柄が伝わってきた。
また、ぜひお話を聴きたい。
それに、こういうお話は子育てスタートしたばかりの親御さんに
聴く機会があったらいいのになぁと思った。

なんか、涙が出そうになった講演会は、久しぶりだ。
それも、あんなに笑い転げそうに面白かったのに、
なんだか、感動しちゃったなぁ。

お師匠様〜♪

この「お師匠様〜♪」というセリフは、
私の中では西遊記孫悟空三蔵法師を呼ぶときの呼び名である。
なぜ、孫悟空三蔵法師を師匠としたのか?
助けてもらったから?それだけ?
西遊記』をちゃんと読んでいれば、
そのくらいのことはわかるのだろうが、私には、まだ
西遊記』をじっくり読むという体験がない。

読むときには、ぜひ、こちらで、と思っている。
西遊記(上) (福音館古典童話シリーズ (15)) 西遊記 (下) (福音館古典童話シリーズ (16))

で、今日は、別に『西遊記』のことを書こうと思ったのではなく、
私のお師匠様〜♪のことを、書いておきたくて
こんなタイトルにしたのであった。
お師匠様と言っても、おそらくその方は、私を弟子とは
思っていらっしゃらないし、
全く子弟関係なぞではない。

その方と初めてお会いしたのは、もう、10年も前。
そして、その方に、ストーリーテリングなるものを
教えていただいてから、丁度まる9年になる。
その講義を受けてから、私の人生に、
子どもの本、おはなしがグイッと入り込んできた。
何をするにも、その先生の言葉や、おはなしが、
考える基になっていて、
その方をお師匠様と言わずにはいられないのである。

それなのに、小心者の私は、お師匠様に話しかけることが出来ない。
一か月ほど前におはなし会に出かけた時も、
そして、今日のおはなし会でも…。
なぜなのだろう…とても身近に感じられるのに、とても遠い方だ。

友達は、私が彼女に恋をしているみたいという。
あぁ、そうだなぁ、確かになぁと苦笑いである。

今日、そのお師匠様の語りを聴いた。
全く、贅沢な時間であった。
時間、お部屋の時計では、35分近くあった。
それなのに、なぜだろう、
えっ!終わっちゃうの?!もっと聴きたい!
と思うくらい聴き入った。

っていうか…80過ぎられたお師匠様が、
全く、凄いことであるなぁ…。
おはなしは三本の金の髪の毛だったのだが、
本で読んだ時より、すごく絵が浮かんだ。
ついつい前のめりになってしまって、
本当に、お師匠様のお話は、なぜかすんなりと
私の心に入ってくる。

だから、勝手に私のお師匠様とお呼びしている。
久しぶりにお手紙を書きたい気分である。