ツェねずみ
最近読んでいるのは、宮澤賢治。
『ツェねずみ』
『童話集 銀河鉄道の夜 他十四篇』(岩波文庫)より
宮澤賢治の動物寓話。
ひねくれ者のねずみ“ツェ”が主人公。
酷い目にあったと言っては「償う(まどう)てくれ」とうるさい。
時には250回も「償うてくれ、償うてくれ…」と。
しつこい…じつに、執念深い。
こうして、嫌われていくツェねずみ。
しまいには、ネズミとりの中に閉じ込められる。
宮澤賢治の動物寓話は結構好きだ。
アンデルセン童話と、似た雰囲気を持つ。
そこに描かれているのは、人間の姿だなと感じる。
相当なシニカル具合だ。
ところで、「償う」という字を「まどう」と読むのか?
国語辞典で調べたところ、ちゃんと載っていた。
意味は、つぐなう、弁償するで納得。
しかし、北陸・近畿以西の方言とある。
東北出身の賢治が、なぜ?
西の方出身の知人でもいたのだろうか。
ちなみに、普段使いの国語辞典は新明解国語辞典第六版。
中型は、めったに開かないが大辞林初版を
使っている。
あ!今気が付いたが、どちらも三省堂だった。