とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

我慢比べ

上の子が中学時代、学校に行けなかった時期があって、
一番つらいのは子どもだと分かっていても、
ついつい学校に電話をするのがいやだとか、
どうしていけないのだろうかとか、
私の育て方は間違っていたのだろうか?とか、
自分中心に考えてしまっていた。
子どもが学校に行けるようになるその日まで、
じっとひたすら待つ!なんてことは、
自分にはできないと思いながらの、長い一年半だった。


行けるようになってからも、
いつか、またあんなふうに行けなくなる日がくるのでは
ないだろうかと不安はつきまとうものだ。


下の子のクラスに、今学期全く出席していない子がいると知り、
その子のことを思うと同時に、親御さんのことを考えると、
とても胸が痛くなるのだった。
誰かに愚痴を言ったとしても、
学校に行けるようになるのは子ども自身の問題だから、
それは我慢比べのようなもの。
そう、自分自身との我慢比べだ。


「明日の修了式に来るように、同じマンションに住むその子を
朝迎えに行くのだ。そしたら、一緒に行くって約束した。
だから、○○ちゃんちに泊まって、
朝、二人で迎えに行くと決めたのだ」
と、昨晩仕事から帰った私に、下の子が言った。
よそから学校に行くなんてとんでもないぞ!と思ったけれど、
下の子が本気のようだったので、
○○ちゃんのお宅にはご迷惑だろうと思ったけれども、
そちらのお母さんには了承済みということだったので、
しぶしぶOKを出した。
何より、上の子の
「自分にはそんなことしてくれる友達はおらんかった」
という言葉が、OKを出させた。
どうして同じマンションで、よそに泊まる必要があるのか
わけがわからんかったけれども…。


そう仲の良い友達というわけでもないと思う。
その子は、昨日の約束通り、ちゃんと学校に来たらしい。
クラス全員揃って、先生も喜んでいたそうだ。
もともとは、結構元気な子で、今日も学校で
ギャグを言ってみんなを笑わせていたらしい。
きっかけが必要だったのだろう。
そのきっかけがいることを見抜いた子どもたちは、凄い。
そして、それを行動に移せた子どもたちに拍手だ。
昼過ぎに帰ってきた我が子はとても満足げだった。
持って帰ってきた成績は泣けてくる成績だったが、
「新学期も迎えに行く約束してきた」
と、嬉しそうに言ったので、成績が振るわないことなんか、
なんでもないことだと思えた。
子どもがまっすぐ伸びる力を信じて、
親も我慢しなければならないことがある。