とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

鬼のはなし

自分はスマホを持たないので、
鬼から電話がかかってくるアプリっていうのを、
あるメディアと子どもに関する講演会で知った。
別の読み聞かせの講座でその鬼が怒るアプリを
起動させて見せてもらったのだが、
まぁ…こんなのが子育ての常識になったら、
もう、世の中終わりだなと思う。

しつけることは脅しじゃないでしょ…と思うのだ。

よく、仕事をしている時に、
「ほら、静かにしないと、おばちゃんに怒られるよ」
と子どもにいう親がいるが、
起こられなかったらいいんかい?!って思う。

鬼が電話にでて、子どもに変われといい、
いきなり怒鳴りつけるこのアプリを、
世のお母さんたちは、良かれと思って使っているのか?
そうだとしたら、子どもが不憫すぎる。

このアプリのダウンロード数が物凄いというが、
身の回りでも、親子の会話に時々出てくるのを耳にし始めた。
一昨日は、お買い物をしている時、
見知らぬ子が、ぎゃいぎゃい言って、
お母さんを困らせている。
何か、買って欲しいものがあって、買ってもらえなくて、
眠さも加わってか、お母さんが今日は買えないと言っても、
全く聞かない。
とはいっても、3歳くらいの子だ。
駄々をこねても仕方ないくらいの子。
そのぎゃいのぎゃいの言っている子に、
「じゃあ、鬼さんに電話するから、
買ってもいいか聞いたら?」
そしたら、女の子が火がついたように泣き出し、
それは嫌だといいだした。
鬼からの電話も嫌だし、買ってもらえないのも嫌だし、
眠たいし…で、カートに乗せられて売り場を出て行った。

こういう場面に、もう、何度か出くわしている。

お母さん同士の会話の中にも、
「この前見せたら、効果てきめん!
あれ、使える!って思ったよ」
という会話があって、
子どもの精神の安定に、めちゃ悪そうなあんなのを、
よく使う気になるなぁと思う。

あれって…国は何ともできないのか?
あれって…虐待とは違うのか?

怒りたきゃ、自分で怒りなさいよ。
赤の他人どころか、バーチャル鬼に、
子どもをしつけさせようなんて、
そんなの絶対、いいことないって。
そんなので、恐れおののく我が子を見て、
しめしめ…なんて思うんだろうか?
それでいいのか?親として。

子どもは馬鹿じゃないから、
いつまでもそんなものに騙されないし、
そんなもので自分を何とかしようとしていた親に
気付いたときのショックったらないと思うんだけどなぁ。