とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

てんでわからないのに気持ちが開く

今日、『うたうひと』という映画を見てきた。
これは、ドキュメンタリーであろうか、
記録というか…伝承というか…。

東北は、みやぎ民話の会の方たちの語りを、
語る側、聴く側からと録られているものだ。
静かに静かに進んでいく時間。
そこに、人数は少ないが、確かな人間の温かさを感じ、
語りによって伝わってくる、昔の人の思いが
なんとも言えず心に沁みる。

九州から出て暮らしたことが1年しかない私には、
宮城の土地言葉は、まぁ〜!聴き取れないわ、
意味が解らないわで、いろいろ想像しながら聴き、
2時間、頭はフル回転であったが、
わからないのになぜか、その雰囲気みたいなものは
伝わってくるから不思議だ。

ああ、いいなぁ。
なんて、あったかいのであろう。
意味の分からない言葉だらけであっても、
語りの持つ独特の雰囲気で、
なんとなく心が開いてくる。
はっきりとした絵は残念ながら描けなかったが、
薄ぼんやりと、風の音や水の音、
鳥やカエルの鳴き声が、聞こえてくる。
稲の穂がさらさらと風におよぐワンシーンが、
私の田舎を思い起こさせ、心を委ねたくなった。

時代が新しくなっても、人間が心の奥底に
宝としてもつべきものは、変わらないのではないか。
そう思えるのだった。

この映画にお誘い下さった先輩方に、感謝。

興味のある方は「うたうひと」「みやぎ民話の会」で
検索してみて。