とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

むしろ大人向き?

クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と三つの宝物


ゴールデンウィークには、何冊も読みたい!と思っていたけど、
なかなかそうゆっくりもできず。
おじいちゃんちに子どもたちを連れて行き、
二泊のうちに、読んでしまった500頁余り。


表紙、挿絵は、『緑の模様画』
『ハンナ』『トメック』の平澤朋子さん。
この絵に惹かれて手に取ったようなものだ。
マシュー・カービィという作家の第一作目ということだった。


大変面白かった。面白かったけれども、どうも感情移入のしにくい
構成だなぁと思う。
三人の子どもたちが主人公。
その三人の話が一つにまとまると言えば、そうだけれど、
一つにというほどかっちりの印象が弱かった。
うまく作られた感じはあるけれど、
何か足りないような気がする。
主人公が三人いて、章がかわるごとに、その中心になる子が
変わってる。そこが、感情移入しづらい感じ。
中高生だと、こういう作りも楽しめるのだろうが、
もっとこう、おはなしの中にどっぷりとはまってしまう、
そんなお話を子どもたちには楽しんでほしい。


いや、面白かったのは間違いない。
子どもも、こういうものを楽しみたいかもしれない。
でも、自信を持っておすすめ!といかなかった。
500頁という文章量に、全然めげずに、
あっという間にお話が進んでいく感じではあるけれど、
1900年代のアメリカ東部という舞台も、
子どもたちには想像しづらい話かもしれない。
ローティーンの子どもたちが、仕事をする…
それも、生きるためのお金を得るために。
そういう状況を、子ども読者はどう読むのかなぁ?