とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

レアンダーとガスター

レアンダーの『ふしぎなオルガン』は、レアンダーの創ったおはなしで、
ガスター『りこうなおきさき』ルーマニアの昔話を聞き集めて、書きとめたものらしい。


ふしぎなオルガン (岩波少年文庫)  りこうなおきさき―ルーマニアのたのしいお話 (岩波おはなしの本 (3))


このあたりのおはなしを読むと、どうしても、グリムのおはなしや、
アンデルセンを思い起こしてしまうのだが、年代的にはどうなの?
グリムは1812年に「子どもと家庭のメルヒェン」を出し、
アンデルセンが1835年に「即興詩人」や「童話集」を出版、
レアンダーの『ふしぎなオルガン』は1871年、
ガスターの集めた昔ばなし集は、1920年代に出ているようだ。


こうやって並べると、一世紀以上の差があるのだが、
古典的なにおいはするものの、
現代を考えると、100年前なんてのは、
ものすごく古い(日本で今から100年前だと、大正の始まり)
イメージだけれど、それよりもっと先だと、
100年の違いって、あまり感じないなぁ。
まぁ、昔ばなしはそういうものだけど、
創作のレアンダーと、アンデルセンの35年の違いは、
ほとんど感じない。
35年前、今の日本の社会を想像できたろうか…。


レアンダーはドイツの人なので、きっとグリムのおはなしを
聴いて育ったんだろうなぁという気がする。
アンデルセンの童話が、当時ドイツで読まれたかは?だけれど、
レアンダーの童話と、アンデルセン童話には、どこか似た雰囲気がある。
また、ガスターがむかし話を集めたのも、
(それも、追われた祖国ルーマニアのおはなしを)
グリムが聞き集めたむかし話というのは影響しているのだろう。


国は違えど、やっぱり陸続きっていうのは大きいのだな。
そして、昔話を読んでいると、似たようなお話はあるが、
陸続きとはいえ、お国柄っていうものが出るのだなぁと
『りこうなおきさき』を読んで感じた。
ルーマニア…鳥のおはなしという印象が私の中に深く刻まれた。
鳥の舞う国なのだろうなぁ。今でもそうなんだろうか。