とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

いい子とは

121017に図書館で借りた本。
21日から23日にかけて読んだ。
3つのおはなしからなる。
主人公はもちろんエーミル。

エーミルとクリスマスのごちそう (岩波少年文庫)

こういうのは、子どもたちはどんな気持ちで読むのかね。
エーミルみたいに溌剌とした毎日を
日本の子どもたちは送っていないような気がするが。

愛すべきキャラクターである。
正義感は強いし、優しいし、素直な子どもらしい子ども。
しかしそのために行動に移すことが、
ことごとく「いたずら」になってしまう。
悪意はないのにねぇ。
良かれと思ってしたことが…失敗へ。
発想は豊かだけれど、とてもストレートで、
周りの大人たちは手を焼くという具合。
それでもめげないエーミル。
木工小屋で、お仕置きの度に作る木彫りの人形が、
たまる一方…それでもめげない。

そして、作中チラッと出てくるが、
エミールは大人になったら議員さんになるらしい。

子どもは子ども時代を楽しまなきゃね。
それも、大人が下準備したような楽しさじゃなくて、
自由にさせてやるのがよろし。
と、リンドグレーンは大人にも伝えたかったんじゃないか。
いい子でいるというのは、大人からみたら、
それはいい子なのだろうけど、
子どもにとっては子ども時代をせまい
檻のような場所に閉じ込められることなのかもしれない。


リンドグレーンの作品は、子どもの頃に
読めたらよかったろうなぁと思わずにいられない。
長くつ下のピッピ』あたりは、
生まれる前からあるはずなのに、
なぜか読んでいない。
長くつ下のピッピ

下の子が3年生の時に、ニューエディションの
菱木晃子さんの訳で一緒に読んだが、
大人は手放しでは喜べなかったりする。
まぁ、こんなことを真似しちゃったりしたら
大変だわぁ…と現実的なことを考えてしまうからか。
子どもたちは物語の中で、心を解放させ充足感を得る
なんてことを、読みながら忘れている。

リンドグレーンの作品は他にもいくつかよんだが、
自分が好きだなぁと思ったのは、
『やかまし村の子どもたち』だな。
やかまし村の子どもたち (リンドグレーン作品集 (4))
ピッピもロッタちゃんもエミールも楽しいけど、
私にはちょっと賑やかすぎる感じ。
決して派手ではないのだけれど、
破天荒すぎてちょっと気疲れする感じ。

子どもの頃、大人の目を気にするような
気の小さい優等生であったので、
こういう破天荒物を読まなかったのは、
幸か不幸か…。

エーミルのシリーズは岩波少年文庫版になってしまったが、
もともとあった、ハードカバーの方が
年齢的にはいいんじゃないか?と思った。
ハードカバーのおはなしは
楽しめるのは2,3年生じゃないかな。
2年生に岩波少年文庫は、活字は大きめだけれど、
なんとなく、ハードル高いような…。