捏ねる女
娘、パン・お菓子作りには、
やってみたいという気持ちが湧くようである。
それは、恐らく、そのやってみるの先にある、
食べたいに繋がっているからであろう。
しかし、何にせよ、何かをやってみようって思う気持ちは
大切なことだ。
冷え性だった彼女が、なぜか、手があったかくなったのも、
パン捏ね向きではないかと思う。
今日は、ななつ星が見られるかも!と、
時間を合わせて買い物に出かけたが、
見るにはやはり、時間を合わせて待ち伏せなければならないのだろう。
田んぼのあぜ道で三脚を立てている撮り鉄おじさんたちのように。
今日は、娘と、失敗したな…と、買い物から帰り、
気持ちを改めて、パン生地を捏ねる。
(最近捏ねるのは、もっぱら娘)
今日は、むかーし私が買っていた、レタスクラブのお菓子作り
臨時増刊号に載っていたお菓子を作った。
パン生地に、刻んだチョコとアーモンドを巻き込んだ
フライパンで焼くお菓子。
結局、娘が全部作り上げた。
大変、美味しく焼き上がった。
もう少し、きつく巻いても良かったかな、という反省点を残し、
次回の課題だの~と、頬張る娘。むしゃむしゃ~。
今日のパン生地は、バターの量がいつもより多目で、
捏ねるのに苦労していたようだが、
本当に、パン捏ねは気分が良くなるようで、
今日は午後、本を読んだり、弟との会話が弾んだり、ゲームをしたりと、
「疲れた」「眠たい」という言葉を発しない時間が過ぎている。
台所に立つことは、彼女には、とても良いリハビリのようである。
「失敗しても大丈夫よ」「上手やね~」って、
小さい時にかけてやることが出来なかった言葉を、
今、何度も口している自分にも、相当なリハビリになっている。
一次発酵後、ぷわっと膨れたパン生地を見て、
嬉しそうな歓声をあげる娘を見ているだけで、
胸一杯に幸せを感じることができるのである。
なんて、親孝行な娘だろうか!
さらに、美味しいおやつが食べられる、この喜び!