とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

弱っているのだろう

夜中に、若松英輔氏のツイッターを追って、

「独り」でいることの必要性を感じた今日。

20歳の頃からの、私の人生のテーマである「独り」だが、

ここしばらく、その「独り」が実現できずに弱っている。

 

誰かと一緒に生きているのは当然なのだけれど、

考えているときは、独りだと思っているし、

独りじゃないと、考えることが難しいように思う。

頭の中で考えているときの言葉は信じられるけれど、

ひとたび口から出てきた言葉は、もう、それは、

自分が深いところで考えたことではないような気がする。

建前というか…よく響かせようとしているというか…

そういう自分に気が付いたときに、げんなりする。

 

今日は、中島みゆきの好きな歌をピックアップして聴いた。

聴いていたら、若松氏の言葉とどこか重なっていることに気づいた。

今、自分が欲している言葉をもらった気分。

結局、20歳の頃の自分が得た自分の生きるための言葉は、

何ら変わらないんだなぁと思う。

弱っているからなのだろう。大変、沁みてくる。

あんまり沁みるので、あふれて、泣けて仕方ない。

しかし、まぁ、大声上げて泣ける場所は、今の自分には見つからない。

だけど、みゆきさんの歌で随分、心の汗を流させてもらった。

 

19歳の時、同じ予備校に通っていたⅠちゃんにもらった

中島みゆきの「臨月」と「予感」の録音されたテープを、

大学生の頃はよく聴いた。

もちろん、小学生の頃から中島みゆきの曲はいろいろ知っていたけれど、

アルバムは、この2枚が初めてだった。

 

「予感」の中に入っていた ♪ファイト! は、特別な歌。

サビの 

♪ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう

ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ   

のところはもちろん好きだが、19歳の自分に響いたのは、この歌詞。↓

♪私 本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で

転がり落ちた子供と つきとばした女の薄笑い

私 驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった

ただ怖くて逃げました 私の敵は 私です

そして、30年たった今でも、やっぱり、この部分は響く。

責められているような気にもなる。

♪ファイト! は、途中の歌詞に、九州の言葉だなという部分もあり、

いろいろ引っ掛る要素が満載で、

この曲が自分にいろいろ考えさせてくれたから、ずっと好きな歌なのだろう。

 

自分の持っているCDを聴いていたら、そういえば…と

中島みゆきの歌の中でも、自分の好きな歌をあれこれ思い出した。

それで、聴いてみた曲はこういった曲。↓

♪時代 ♪誕生 ♪糸 ♪命の別名 ♪旅人のうた

ヘッドライト・テールライト ♪二隻の舟

 

なにか、大事な選択があって、迷いがある時に

突破口を見出せる気がする曲たち。

すべての人間への、物凄く力強い応援歌たちだと思う。

若い人たちも、聴けばいいんのに~と思っていたら、

18歳のFしゃんは、カラオケ仲間がよく♪ファイト!を歌うらしく、

私が口ずさんでいたら、「お、仕事をもらわれへん、の歌」と言っていた。

やはり、世代を超えて、心に留まる歌のようである。

 

今は、自分の心が弱っているような気がしているが、

私を立ち止まらせ、また、歩きださせてくれる強い味方がいて、

背中を押してくれる。

きっと、数日もすれば、弱った部分は鍛え直されているだろう。

自分にとっての、力の源を与える何かを持っていることも、

生き易くするための一つの方法である。

 

毎日、いろんな人と接するから、

自分の弱い部分や、嫌な部分を引っ張り出されそうになる。

独りでいる時間に、そのことを思い出すと辛い。

そんな時に感じるのは、なぜか、罪悪感に似た感情。

 

きっと、どこかで無理をしているから、弱っているのだろう。

誰かといる自分を好きでいられるかどうかは大事なことだ。

どうも最近、人の言葉に持っていかれそうになる。

何も答えなきゃいいのに、なにかを求められているような気がして

自分の中で、ちゃんと整理できない言葉を発して、

それが、すごく情けない。

沈黙は金を貫けよ、と、自分で自分に言い聞かせる。

人に求められたとして、ホイホイ自分の奥のものを、

それも、熟してもいないものを手渡してしまうのは、

私が思い描いている生き方から遠ざかる。

それはきっと、嫌いな自分を増やすことになりかねない。

 

若松英輔氏の呟きや、中島みゆきさんの歌たちが、

やけに響いてきたのも、自分に必要な薬ってことに違いない。

「しっかりせんかい!」と、応援してくれる言葉たち。

誰に、というわけでなく、万人に送られるエールに、

彼、彼女の厳しさ、優しさを感じる。これこそ、愛。

大きな愛に包まれて、今日も夜更かし。