子どもの本を読む
3年ほど前に読んだ本。
『子どもの本を読む』河合隼雄:著(講談社+α文庫)
時々、ぱらぱらとめくる。
子どもたちと一緒に楽しめそうな本を探して。
実際は、自分が楽しむ本との出合いとなった。
子どもの本といえど、じっくり時間をかけて
深く深く読んでみたいと思う。
子どものころは、そんな本の読み方をせず、
ただストーリー展開を楽しんでいたように思う。
最近は、それだけではないな。
登場人物の性格だったり、会話だったり、
風景であったり。
この本は12章の中で、16作品を魅力的に紹介してある。
中には、その紹介がかなり詳細なので、
それだけで満足して、肝心の本を読んだ気になってしまって、
16作品の中で、実際読んだ本は、半分にも満たない。
そういうこともあるのが、こういう本の落とし穴か。
河合隼雄氏が心理学者として書かれたのだろうが、
自分には、子どもと関わるただ一人の大人として、
これらの本を読まれたように思えるところが、
とっつきやすいところだ。
書評というのとも違うし。
序章で、「主観的に」と開き直られているので、
読んだことがある本のことを、こんな風に読むのか〜と、
意外に思ったりする点が多いのも、この本の面白さだ。
本というのは、本当に人それぞれの読み取りができ、
それを許されている懐の広いものであるなぁと思うのだった。
ちなみに、この本の中で、一番納得だったのは『飛ぶ教室』だった。
そして、読んだことのない本で、読みたい!と思ったものは、
『思い出のマー二ー』と『ふたりのひみつ』で、
それなのに、3年たった今でもこの二作品を
読んでいないのが、情けないところだ。