とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

いつの時代も

5日から6日にかけて
『9月0日大冒険』偕成社文庫)
を読んだ。
9月0日 大冒険 (偕成社文庫)

1989年というと、まだ、わが子は生まれていない。
20年も前の話であるが、
いつの時代の子どもたちにとっても、
夏休みは特別なものであるらしい。
タイトルから想像するに、夏休みと新学期の狭間での
出来事であるが、わが子にとってその日は、
夏休みの宿題が終わっていれば天国、
そうでなければ宿題漬けの一日である。

三人の子どもたちの夢だか現実だかわからない
9月0日の、白亜紀へのタイムスリップは、
単なる冒険とは違い、本当の友達を知る時間であった。
また、生き延びるための助け合いや団結ということは、
こういうことだと気付く主人公の成長も、
読み進めていくのが楽しくなった。
三人それぞれのキャラクターがとても分かりやすく、
3,4年生の子から楽しく読めるのではないだろうか。
恐竜好きなら、尚の事。

今年、文庫化されたということで、読んでみたのだが、
我が子が小学生の時に読んでおけばよかったなぁ。
日本の小学生が主人公で、背景がより分かりやすいし、
本が苦手な子にも読み進んでいけると思う。
子どもたちの性格の長所短所がバランス良く描写されているのも、
現実みを帯びていて違和感がない。
冒険物であるので、一難去ってまた一難。
子どもたちは、無事に帰れるのか?
三人が現実に帰った時に、冒険中の絆はどうなるか?
という結末にめがけて、一気に読み進める物語だ。

文庫の最後に、綿矢りささんの解説があって、
それも面白かった。
特に、クラス全員で行う長縄、2人3脚(本当はもっと多い)における連帯責任についての件は
大変うなずけるところであった。

我が家の下の子は昨日、最後の宿題に追い込まれ、
今朝6時までかかって、英語ノートを埋めていた。
あほですな。
9月0日があって、そこで宿題を終わらせようとしても、
現実に戻ったら、ノートは白紙のままである。
腕をひきつらせ、二晩で一冊のノートを埋めてしまった
あほな我が子が愛おしい。
無事に帰ってきますように。