とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

ううう・・・引き込まれ

なんというか、強烈な体験をした。

今日、人の声というものに、感動した。
それも、歌とかでない、
ただ単なる、「かたり」でだ。
何が感動したかって…
やっぱりね、派手さではないってこと。
心を込めるというのと、大げさにっていうのとは、
全然違うんだってこと。

何人かのお話を聴いて、ある方のおはなしにとても引き込まれた。
その方の、「かたり」というよりは、そのおはなしに引き込まれた。
それこそが、正統なストーリーテラーであろうと、
改めて実感したのであった。
感情を込めることは、時に、受け手の
イメージを作り上げることを邪魔する。
話芸とは違うということを、実感したのだ。
子どもたちに、おはなしを伝えるには、
やはり、シンプルかつ、おはなしに誠実にということを
忘れてはいけないのだなと思う。
もちろん、子どもには、ゆっくりが基本。
これを、3S(トリプルサルコウではない)という。
3つのSとは、ストーリーテリングの講座で、
一番最初に教えてもらったことで、
Slowly Simply Sincerely
のことである。

でも、今日、そういうことを感じながら
別のあることにも気が付いた。

最近、「感動の○○」なんてキャッチフレーズばっかりで、
感動っていうのが、どこにでも転がっていて、
感動になれちゃった人には、徐々に感動の沸点が
かなり高くなっているようにも思われる。

子どもたちも、日常の生活の中に驚きや感動は沢山あるのに、
早くから濃いものに慣れさせられているからか、
とても冷めた子がいるのが気になる。
そういう子どもたちは、もしかしたら、
3Sの話は、物足りないと思ったりするのではないか?
もっとスピーディに、もっと派手に、もっと大げさに、
そんな話を良しとする子がいても、
おかしくはないなと思う。
しかし…だ。それでは、おはなし自体の魅力は
伝わらないだろうなということも、容易に想像できる。 

”Simple is Best”って言葉に脱帽。