とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

巧さプラスアルファ

さっき、かたりのことを書きながら、
ずっと前から思っていることを書き忘れたと思いだした。


おはなしを聴いていて、たまに語って、
おはなし会の成功とは、語りが巧いだけではなりたたないことを感じている。
語るためには結構準備時間がかかる。
おはなしを5年間のうちにいくつか覚えたけれど、
完璧!と言えるものは何にもない。
だから、聴くほうとして感じたことになるが、
巧いかたりは沢山聴いた。
けれど、そのお話が自分に深く残っているかというのは、
また別だと思っている。
誰にでも心を開いてお話を聴けたらいいんだけれど、
初対面の人とうまくやり取りできないような、
自分のような性格の人間は、まず、語り部さんとの間にある
距離を縮めなければならないからだ。
巧くても、なんかこう…かしこまって聴かねばならないような空気の中なら、
おはなしが伝わってこないこともある。
(聴き手としてこちらが悪いのかもしれないが)
また、ほかのおはなし会の参加者さんが、空気を和ませてくれる場合があって、
そういうときは、おはなしもすうっと入ってきてくれたりする。
語り手さんの巧さというのだけでは、おはなしはなりたたない。
聞き手あってのおはなしだから。
つたない語り手の私でも、聴き手の方から話を引きずり出される
ってことを経験したことがある。
おはなしに委ね、聴き手に委ね、もちろん前準備はしっかり。
語り手が巧ければ、もちろん尚良し。


フィギュアスケートを見ていて、似ているってところがあると思っている。
フィギュアスケートだけではないだろうが。
スケーターは、自分の持っている力を発揮できる準備をしている。
競技会では、ジャッジだけでなく、観戦しているお客さんがいて、
おそらく、お客さんの雰囲気で、選手の力が発揮できるか否か、
また、出来以上の何かが生まれる、そういうことってあると思う。
私はアイスショウを、生で一度しか見たことがないので、
競技会がどういうものかは、実際は感じたことがないのだけれど、
経験の豊富な選手ほど、周りが良く見えているのではないか。
自分が自分が!な演技ではなく、お客さんの空気を感じながら、
演じてるのではないかと思っている。
かたりと一緒で、相手の反応を感じることで、
生まれる何かがあるんだろうなぁと。


フィギュアスケートの競技会のテレビを見ていて、
点数や、順位も気にはなるが、
観戦者の反応というものは、正直だなぁって思う。
それが、点数に伴わないとええっ?!と思うこともあるが、
でも、素晴らしいものを見せてもらったわーって、
何度も繰り返し見たりする。
点数なんかよりも、よっぽどスケートファンのほうが、
良く伝えてくれているよなぁーと思う。


ただ…残念に思うのは、ホームかアウェイかって…
それで、反応が違ってたりすることだ。
それも、かたりと同じだと思う。
その選手を良く知っているかどうかで、反応は違ってくる。
競技会は競技会。点数がついて、順位が付くのは当たり前。
でも、スケートファンとしては、点数順位より、
選手自身が納得の演技ができたかっていうのが、
何より求める所ではないかしら。
もちろん、そのうえで、点数が高かったら万歳!だけど。


成績が満足であったかどうだかはわからないが、
2007年世界選手権のトマーシュのフリー
2008年世界選手権の中野友加里のフリー
2009年世界選手権のデニス・テンのフリー
2010年世界選手権のケビン・ヴァン・デル・ペレンのフリー
2011年世界選手権のアントン・コバレフスキーのフリー
このあたりの演技は、何度見ても感動するなぁと思う。
会場にいる人たちが、喜んでいるのが凄くわかるし、
滑り終わっての、選手のあの満足そうな、嬉しそうな笑顔が、
テレビのこっちにいるファンでさえ幸せな気分にしてくれる。


いかん、いろいろ思い出した。全日本選手権前に、
BDにダビングしなければならんのに…
録り貯めた中からあれこれ見たくなってきた。


今季のグランプリシリーズが終わり、いよいよこのあと、
各国のナショナル、欧州選手権四大陸選手権などあり、世界選手権。
また、どれだけのお気に入り演技に出逢えるか、楽しみ。